2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K12746
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| Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
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Principal Investigator |
疋田 真一 大阪電気通信大学, 工学部, 准教授 (00347618)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 眼球運動 / カメラ / ハンズフリー / 視線 / インタフェース |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は，手足が不自由な運動弱者の能動的な活動を支援するため，目で合図を送ることにより介護ロボットやPCのような情報機器に対して意思伝達を可能にするインタフェースを開発することである．2021年度は，(1) 2台の眼球撮影用カメラ（アイカメラ）を装着した左右両眼追跡メガネ（目で合図を送るための視線計測装置）の改良と(2)共役性・輻輳性眼球運動を検出のための画像処理アルゴリズムの開発に取り組んだ．各項目の内容は次のとおりである．
(1) アイカメラとして小型のCMOS カメラモジュールをABS 樹脂製の保護ケースに格納し，再設計したジョイント部を介してメガネフレームのテンプル部に取り付けた．ジョイント部のネジを調節することで，カメラ位置を上下方向に9.5[mm]，メガネフレームに沿って 18.1[mm]の範囲で移動させることができ，従来のジョイントよりもカメラ位置の調整可能範囲が拡大した．
(2-1) 眼球を側面から撮影した画像には，検出対象の虹彩（黒目）のほかにも眉毛や顔以外の背景も含まれる．そこで，最初に簡単な手順（まばたき）により目領域を適切に決定する方法を開発した．また，予備実験により，従来法に比べてより適切に目領域を決定できることを確認した．
(2-2) 眼球側面画像における眼球回転に対する虹彩の移動量は，カメラから眼球までの距離によって変化する．具体的には，カメラと眼球の距離が近くなるほど虹彩移動量は大きくなる．そこで，カメラ－眼球間距離の変動の影響を抑えるため，目領域内の相対位置として虹彩移動量を検出する方法を開発した．予備実験により，従来法に比べてノイズに対して頑健な眼球運動検出が可能であることを確認した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) 目で合図を送るための視線計測装置として，2台のアイカメラを用いた左右両眼追跡メガネを製作・改良した．(2) 屋内自然照明下において，まばたきをしたときの眼球側面画像から眼球領域を自動決定する方法を開発・改良した．(3) 目領域内の相対位置として虹彩移動量を検出する方法を開発した．(4)眼球運動計測実験により，左右・上下方向の眼球運動（共役性眼球運動）であるサッカードと前庭動眼反射を識別した．(5) 3種類の基本ジェスチャと6種類の補助ジェスチャからなる合計18種類の視線ジェスチャ（目の合図）を提案し，識別実験を行った．その結果，簡単な目と頭の動きの組み合わせにより多くの視線ジェスチャを実現できる可能性が示唆された．
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| Strategy for Future Research Activity |
これまでに，眼球側面画像撮影用のカメラとメガネフレームからなる左右両眼追跡メガネを製作し，左右・上下方向の共役性眼球運動による視線ジェスチャを提案・識別した．輻輳性眼球運動は左右両眼の虹彩位置の差から求まるため，共役性眼球運動（両眼位置の平均値）に比べてより高精度な虹彩位置検出法が求められる．このような観点から，ノイズに頑健な画像処理アルゴリズムを開発した．次年度は，共役性眼球運動と輻輳性眼球運動（遠近方向の注視点の移動）を組み合わせた3次元的な視線ジェスチャの検討・識別及びPCや携帯情報端末の視線操作実験に取り組む予定である．
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| Causes of Carryover |
(1) 眼球側面画像を撮影するための左右両眼追跡メガネを再製作するにあたり，カメラとメガネフレームを接続するジョイントを3D CADを用いて独自に再設計し，3Dプリンタ（現有設備）を用いて低コストで製作したこと，(2) 世界的な半導体不足の影響により画像処理・視線ジェスチャ識別用モバイルPCの2台目の導入ができなかったこと， (3) 実験システムの構築において可能な限り従来部品や既存のPCを再利用して物品費の支出削減に努めたこと，及び (4) オンラインの研究発表により旅費の支出が不要になったことから次年度への繰越金を得ることができた．
次年度の使用計画について，眼球側面画像を用いた提案手法の有効性を確認するため，市販の視線計測装置を導入し，眼球運動計測精度及び視線インタフェースにおける使いやすさについて比較・評価実験を行う予定である．
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Research Products
(1 results)
