2023 Fiscal Year Annual Research Report
長期・継続的健康モニタリングを可能とする日常生活歩行速度測定の確立のための研究
Project/Area Number |
20K12751
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
河合 恒 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 専門副部長 (50339727)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 歩行速度 / 日常生活 / フレイル / スマートフォン / GPS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日常生活歩行速度(DWS)の測定方法を日内変動、季節変動の分析を踏まえて定義すること、DWSと健康アウトカム指標との関連を明らかにすることである。2023年度はDWSを測定するアプリを民間企業の顧客の健康増進サービスに実装することでフレイル高齢者を組み込み、DWSとフレイルのドメインとの関係について検討した。 対象者は、住宅サービスメーカーの55歳以上の顧客から募集した。対象者にはスマートフォンアプリによる長期間の歩行モニタリングとアンケートへの回答を依頼した。 6か月間に収集されたデータを用い、測定時間帯を早朝(午前4~7時)、午前(午前8~11時)、午後(午後0~3時)、夕方(午後4~7時)、夜間(午後8~午後11時)の5時間帯に分け1日のDWSの平均値、標準偏差(SD)、変動係数(CV)を求めた。フレイルは基本チェックリストにより評価し、IADL、運動、口腔、栄養、閉じこもり、認知のドメイン別のスコアを求めた。10日以上測定できた対象者のDWS指標の測定期間における平均値とドメイン別スコアとの相関を、年齢を制御変数とした偏相関分析により検討した。 分析対象者は137名(男性88名、女性49名、平均年齢(SD)72.1(6.4)歳)であった。DWSの平均値は、運動、口腔、合計スコアと有意な負の相関を認めた(それぞれr=-0.24、-0.33、-0.22、P<0.05)。DWSのSD、CVはフレイルのドメインとの相関は認めなかったが、DWSのSDと合計スコアとの負の相関は有意傾向であった(r=-0.14、P=0.099)。DWSやその日内変動が大きいとフレイルを抑制することが示唆された。特に、DWSは運動や口腔のドメインとの関連から、身体的フレイルやオーラルフレイルと関係する可能性が示唆された。
|