2022 Fiscal Year Research-status Report
織物型接触感知マトリックスセンサを用いたロボットインタラクション基盤技術の開発
Project/Area Number |
20K12754
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
高橋 泰岳 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (90324798)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 布圧力分布センサ / インターフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
ロボットの重要な構成要素の一つであるセンシング技術の高感度化・小型化・低電力化に向けた開発が進展する中、触覚センサは依然として解像度が低い、柔軟性がない、比較的大型である、高価であるという課題をもつ。農業用パワードスーツなどはユーザに不快感を抱かせない接触が欠かせないが, ユーザとの接触状態を正しく把握して適切に反応することが求められており、柔軟性や通気性のある接触センサは重要な要素の一つとなっている。本研究ではe-テキスタイルを基盤とした非導電性織物に導電糸と導電織物を組み合わせた柔軟性と通気性のある圧力分布センサを開発した。この布方圧力分布センサのアプリケーションの一つとして、圃場における低姿勢での移動を補助するための電動移動台車の開発を行い、その有効性を検証した。この検証結果を基に論文を執筆し、日本知能情報ファジィ学会学会誌へ投稿し、2021年度に採録されている。なお、本論文は後日、論文賞を受賞した。 2021年度は人がロボットにタッチをした際に、ロボットの反応によって人が感じる影響を調査し、これを2022年度に論文としてまとめ、英文誌に投稿し、採録された。 また、2022年度は布圧力分布センサを改良し、よりヘタリの少ない布圧力分布センサを作成することに成功している。さらに、布圧力分布センサから得られる時系列データから、搭乗者の動作認識の精度を高める深層学習を基盤とした手法を提案し、その検証を行った。2021年度までのシステムでは搭乗者が座った状態であることを前提とした制御システムになっていたが、新たに開発したシステムでは搭乗者の搭乗・下車などを検出することができ、移動のアシストを必要としない行動の際は電動移動台車をその場に固定しておく制御を行うことで、安全性を確保できるシステムとなった。今後はこの検証データをまとめ、学術誌への投稿を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度中に学術誌への投稿を予定していたが、深層学習モデルのパラメータ調整などに多くの試行錯誤が必要であり、またその検証のためのデータ収集にも多大な時間と労力、また実験協力者が必要であったため、学術誌への投稿を延期することになった。2023年度中に研究成果をまとめ、投稿を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に行った研究成果をまとめ、学術雑誌への投稿を行う。
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Causes of Carryover |
当初、2022年度中に論文投稿を行う予定であったが、提案する手法のパラメータ調整やデータ収集等に時間がかかり、研究成果発表が行えなかったことから、2023年度にこれまでの研究成果をまとめ、学術誌に投稿する予定である。
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