2023 Fiscal Year Research-status Report
Bowel sound-based approach for objective evaluation of constipation
Project/Area Number |
20K12755
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
榎本 崇宏 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (90418989)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 章 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (90304047)
上番増 喬 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (10581829)
芥川 正武 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (90294727)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 腸音 / 飲料摂取 |
Outline of Annual Research Achievements |
便秘は世界中で広く認識されている疾患であり、排便困難、腹痛、腹部膨満感といった症状が長期にわたって生活の質(QOL)を低下させることがある。欧米では便秘の有病率が約15%とされ、年齢が上がるにつれてその割合が増加すると報告されている。慢性便秘では、腸の運動の低下や便の滞留、腸内ガスとの関連が指摘されている。慢性便秘の詳細な病態を把握するためには、排便造影検査や大腸通過時間検査などの専門的な検査が必要とされるが、これらの検査は全ての医療機関で利用可能とは限らない。腸音の非侵襲的な測定は、腸の運動や腸内ガスに関連する重要な情報を提供すると考えられる。そこで本研究では、「在宅でも使用可能な腸音に基づく便秘の客観的評価システム」の開発を目指しており、その一環として腸の運動性評価方法の開発を推進している。今年度の研究では、飲料摂取試験を通じて、特定の飲料において飲料摂取前の腸音の音響特徴量は飲料摂取後の音響特徴量に影響を与えることが明らかになった。さらに、この影響は腸音の検出限界によるものではないことも確認された。これまでの腸音に基づく研究において、腸の運動性の変化は例えば飲料摂取前後の腸音の音響特徴量の比較から考察されてきたが、今回の研究結果はこの領域における理解を深める新しい洞察を提供する。これにより、より高精度な腸の運動性評価法の開発が期待されると同時に、客観的な便秘の評価への貢献も期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで新型コロナウイルスの影響により、予定していた実験を実施することができず、また、持続的な研究活動ができない状況が続いていたため、研究に遅れが生じていた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今回の発見をもとに、腸音データの更なる収集と解析手法の精度向上に取り組み、腸音に基づく便秘の客観的評価システムの基盤を構築したいと考えている。
|
Causes of Carryover |
これまでの新型コロナウイルスの影響により、予定していた長期にわたる実験を行うことができなかったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、腸音に基づく便秘の客観的評価システムの基盤構築を公表するための費用に充てたい。
|