2020 Fiscal Year Research-status Report
目的音と雑音の増減する環境下でのバリアフリー音声収録システムの開発
Project/Area Number |
20K12763
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Research Institution | National Institute of Technology, Kumamoto College |
Principal Investigator |
石橋 孝昭 熊本高等専門学校, 電子情報システム工学系TEグループ, 准教授 (60455178)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 音声信号処理 / 雑音除去 / 目的音抽出 |
Outline of Annual Research Achievements |
騒音のある環境でも障がい者や高齢者と一緒にバリアフリーで会話できるための、他者の発話音声を含む複数の雑音が存在する環境での雑音除去機器の実用化を目指す。本研究で想定する雑音環境は、雑音の開始や終了、パワーの変化、音源位置の移動があるような、一般的な室内での動的な音環境である。このような通常の環境であっても、会話相手以外の音が気になる者や、相手の声が聞こえづらい者がいることは周知の事実である。そのため、特定の音声だけを強調し、それ以外の音を削除できる音声収録システムを実現を目指している。 本研究の目的は、音環境の変動に追従できる雑音除去システムの開発である。音環境の変 動とは、目的話者の発話の有無、雑音の開始や終了、音源の移動のことである。観測された複数の音の混じった音声の情報に基づいて、音源の数や位置を推定して、目的音声だけを抽出し雑音を抑制するシステムを構築することが本研究の到達点である。さらに、シングルボードコンピュータやマイコンなどで本アルゴリズムを実装して、リアルタイムで周囲の雑音を抑制した目的音声を抽出することを目的としている。 本研究では、音環境の変動などを解析後、リアルタイム雑音除去システムを適用して、目的音声を追従して強調できる補聴器のような音声収録システムの実現を進めていて、現在までに、音源の移動の無い環境での音源数を推定する方法や音源分離の方法を提案している。また、発話の開始や終了のある条件下における目的音声抽出法の検討を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、音環境の変動に追従できる雑音除去システムの開発である。音環境の変動とは、目的話者の発話の有無、雑音の開始や終了、音源の移動のことである。音源の数の推定方法を提案し、目的音声の方位が分かるときには、目的音声を抽出し雑音を抑制するシステムを提案している。音源の方位やマイコン等でのシステムの構築をすることが今後の取り組みとなる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、音源の移動はなく、目的音声の方位は分かっているものとしてアルゴリズムを作成してきた。今後は、音源の移動が発生する条件、音声の開始や終了がある条件、音源の方位が不明であるときの条件の下で、雑音を抑制して目的音源を抽出するアルゴリズムの開発を進める。さらに、これらのアルゴリズムに対して、マイコンやタブレット端末等で実装して、持ち運びが可能で、すぐに利用できるようなシステムの構築を進める。
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Causes of Carryover |
研究発表会の中止により、投稿費や旅費の使用が無かった。オンラインでの研究発表会の開催が始められているので、今後はその開催を期待している。 研究成果の論文投稿を進めた。すでに採択が決まっていて、次年度に発表される。投稿料は次年度に支払うこととなっている。 データ整理のための謝金等を計画していたが、雇用ができなかった。雇用できる機会をうかがっているところである。
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