2020 Fiscal Year Research-status Report
疲労による変化に着目した歩行車使用データの分析とブレーキアシストへの応用
Project/Area Number |
20K12765
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
廣冨 哲也 島根大学, 学術研究院理工学系, 准教授 (70379692)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歩行車 / 疲労 / ブレーキアシスト |
Outline of Annual Research Achievements |
歩行車使用時の歩行特性として、0.1秒ごとにセンサの計測値から算出する歩行車のフレームと使用者間の距離(以下、歩行車からの距離)と歩行速度に着目し、この二つのパラメータにおける身体的疲労による変化について分析を行った。 歩行車からの距離と歩行速度について、それぞれの5パーセンタイルと95パーセンタイルを求め、その範囲を通常歩行領域として設定した。2020年度は、新たな実験を行うことができなかったため、2019年度までに収集したデータについて、通常歩行領域を求める学習データとその領域からの逸脱率を求めるテストデータに分けて分析を行った。分析対象のデータは、普段から歩行車を使用している高齢者が、日常的に歩行している屋内の通路を移動したものである。探索的に逸脱率の閾値を0.2に設定し、ビデオ観察で抽出した「歩行に変化のあった場面」と「逸脱率が閾値を超過した場面」が一致するかを評価した。 疲労により歩行が変化した場面では、逸脱率が閾値を超過していた。しかし、椅子に着座しようとして一人では不安定なため立ち止まった場面など、疲労以外でも逸脱率が上昇した場面があった。 介護施設において高齢者が単独で歩行していると想定すると、通常歩行からの逸脱があれば、疲労以外の場面でも介護スタッフに警告を発することは有用であると考えられる。また、屋外でも、高齢者に対して、歩行速度を落とす、歩行車に近づく、休憩をするよう促すなどのアドバイスができれば、より安全な移動につながることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歩行車を使用した実験を実施する予定であったが、新たなデータ収集ができなかった。しかし、2019年度までに収集したデータの分析に切り替えて研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの影響で、計画通りに実験を実施するのが難しい状況にある。これまでに収集したデータの分析をより重視するなど、臨機応変に研究を進めて行く必要がある。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、当初予定していた実験の実施を見合わせたため。
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Research Products
(1 results)