2021 Fiscal Year Research-status Report
疲労による変化に着目した歩行車使用データの分析とブレーキアシストへの応用
Project/Area Number |
20K12765
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
廣冨 哲也 島根大学, 学術研究院理工学系, 准教授 (70379692)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歩行車 / 疲労 / ブレーキアシスト |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度までに収集した歩行車の潜在的なユーザである平均年齢71.1歳(標準偏差5.1)の22名の高齢者群のデータについて、歩行速度及び歩行車と使用者間の距離(以下、歩行車からの距離)の2つの歩行パラメタの身体的疲労に伴う変化を分析した。データは、平地、上り坂、下り坂を含む屋外のアスファルト舗装路を被験者が歩行車を使用して歩行する際、歩行車に取り付けたセンサで0.1秒ごとに計測したものである。 被験者のうち11名は、疲労に伴い、歩行速度が増加し、歩行車からの距離が減少した。7名は、歩行速度と歩行車からの距離がともに増加した。4名は、歩行速度と歩行車からの距離がともに減少した。歩行速度が減少し、歩行車からの距離が増加した被験者はいなかった。 歩行車等の移動補助具を使用しない歩行において、高齢者は、疲労に伴うバランスの崩れを補うため、歩き方が変化することが知られている。本実験において、81.8%の被験者にみられた歩行速度の増加、及び、68.2%の被験者にみられた歩行車からの距離の減少は、バランスの崩れを補う変化であると考えられる。しかし、歩行速度の減少及び歩行車からの距離の増加がみられた被験者もおり、特に歩行車からの距離の増加のみられた被験者は31.8%にのぼる。歩行車からの距離が増加すると、疲労に伴いバランスが崩れているのに、歩行車から十分な支持力を得ることができず、転倒の危険性が高まると考えられる。このような状態を検知し、疲労時にも十分な支持力を得られるよう歩行車を制御することが求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で実験が実施できず、当初計画していたデータの収集が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで過去に計測したデータの分析を重視して研究を行ってきた。今後は新たな実験の実施も視野に入れて研究を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、当初予定していた実験の実施を見合わせたため。また、国際会議がオンラインとなり、旅費が生じなかったため。
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Research Products
(2 results)