2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K12767
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
中村 裕二 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (80404789)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 筋活動 / 椅子 / 予測的姿勢制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、昨年度から継続して健常成人を対象とした予備実験を実施した。計測指標としては動作解析と筋活動とし、筋活動から予測的姿勢制御について解析を行った。 元来、随意運動の遂行には十分な姿勢制御能力が必要不可欠であり、その姿勢制御戦略には、動作に先行し機能的に作用する予測的姿勢制御(Anticipatory Postural Adjustments:APA)があり、動作によって生じる重心動揺を最小限に抑える役割があるとされている。時間的なフェーズとしては、運動開始前200msec~開始後50msecで区切られることが多い。上肢のリーチ動作などの随意運動には主動作筋の活動に先行したAPAが確認されることが報告されており、この出現には運動速度や個々の運動戦略が影響している可能性がある。 実験では、対象者は健常成人15名、被検筋は主動作筋である三角筋に加え、左右外腹斜筋、左右脊柱起立筋、左右大腿直筋とした。被験者には、固定されたまま動かない座面と作製した可動座面を用いて前方リーチ課題を課し、リーチ時間と各筋の活動開始時間について分析を行った。その結果、両条件間でリーチ時間は同じであったが、筋活動開始時間では、可動条件において脊柱起立筋が他の筋よりも遅れて活動を開始していることが示された。リーチ動作に伴う予測的姿勢制御は確認されなかった。 このことから、作製した可動座面はリーチ動作の動き始めの体幹運動の安定性を高め、重心動揺の少ないリーチ動作に寄与している可能性を考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度も新型コロナウィルス感染症の拡大により、対面での実験が一部制限された。このことが進捗を遅らせた原因として大きいと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、健常者を対象としたデータ測定を継続し、可動式座面の動きを自動化させる機構について検討していく。
|
Causes of Carryover |
作製している椅子の自動化に関する作業が遅れており、その費用として次年度使用を予定している。
|
Research Products
(2 results)