2020 Fiscal Year Research-status Report
排泄介助支援のための膀胱内蓄尿量予測システムの構築
Project/Area Number |
20K12769
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
栗原 陽介 青山学院大学, 理工学部, 教授 (50552600)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | ハイパースペクトルカメラ / 蓄尿量 / 排泄介助 / 吸光特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、尿成分センシング・システムの開発として、特にハイパースペクトルカメラをベースとしたセンシング・システムについて検討した。本センシング・システムでは、ハイパースペクトルカメラで排尿直後の尿の吸光特性を計測する。ハイパースペクトルカメラにより、398.67nm~1016.78nmの波長帯域における尿の吸光特性が得られる。また、排尿の吸光特性と同時に計測した水分の吸光特性を用いて、排尿の吸光特性を正規化することで、尿の吸光特性のSN比の向上を図った。さらに、得られた尿成分の吸光スペクトルから、蓄尿量予測のために必要な特徴量について検討を行った。 生体機能に関する調査および数学モデルの構築に関して、従来は、腎臓、膀胱等各器官に特化したミクロなモデルが提案されていたのにたいし、本研究では血液から尿が生成され膀胱内に蓄尿される一連の過程をマクロなモデルとして提案した。本モデルにおいては、腎臓に送られてきた血漿が糸球体で濾過され、原尿としてボーマン嚢に送られた後、原尿が尿細管、集合管、腎盂を経て膀胱内に蓄積される過程を線形微分方程式で表現した。さらに、尿細管にて原尿が再吸収される現象が蓄尿に与える影響を遅れ時間として考慮し、膀胱のコンプライアンスも含めてモデルに踏襲している。超音波センサを膀胱の上に張り付け計測した膀胱内の蓄尿量の推移を正解の蓄尿とし、提案するモデルと比較することで、モデルの妥当性について検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、作成したモデルのパラメータを実データに合せこむ必要があるが、2020年度においては、コロナ禍の影響で被験者を用いた大規模な実験を行うことが難しかったため、モデルのパラメータの推定精度の検討が不十分であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
コロナ感染に配慮しつつ実験を実施し、その実験結果にもとづき、蓄尿量を予測するためのアルゴリズムの検討、予測アルゴリズムに必要な特徴量の検討、さらには蓄尿量モデルの精度向上に取り組む。
|
Causes of Carryover |
2020年度はコロナ禍の影響により、予定していた被験者をともなう実験を行うことができなかったため、それに関連する項目に関して予算の使用を見合わせた。2021年度は、コロナ感染に注意しつつ実験を行う予定であり、そのため2021年度に使用する必要が生じた。
|