2022 Fiscal Year Research-status Report
福祉用具の開発および利活用の促進のための、安全性・機能性担保方策の探求
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20K12775
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Research Institution | Saitama Industrial Technology Center |
Principal Investigator |
半田 隆志 埼玉県産業技術総合センター, 電気・電子技術・戦略プロジェクト担当, 専門研究員 (20639679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 秀行 日本保健医療大学, 保健医療学部理学療法学科, 教授 (10360679) [Withdrawn]
亀ヶ谷 忠彦 群馬医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90455949)
白銀 暁 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 福祉機器開発部, 研究室長 (90404764)
相馬 正之 東北福祉大学, 健康科学部, 准教授 (40554994)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 規格 / 福祉用具 / 車椅子 / 車椅子用クッション / コスト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の2022年度の目標は、2021年度に引き続き、「これまでに考案した低コスト案の、妥当性と信頼性を検証すること」であった。 低コスト案のうち、「試験用ダミー」については、2021年度に実施した妥当性評価実験の結果をもとにさらに考察を加えた。このことについて、学会およびISO国際会議にて口頭発表した。また、査読付き学術論文として引き続きまとめており、2023年前半には投稿が完了する予定である。 低コスト案のうち「せん断」については、先行研究の問題点(RCLIの製造コストが高い点)を聞き取り調査によって明らかにするとともに、我々の案(既存の車椅子試験用ダミーを応用することで低コスト化を図る)の有効性を、実験によって明らかにした。また、先行研究の信頼性・妥当性の観点からの問題点(スリップを考慮していないこと等)も明らかにした。これらについて、ISO国際会議にて口頭発表を実施するとともに、国際タスクグループを形成して、ISO規格化(技術仕様書を予定)を目指した活動を開始した。 別の低コスト案である「温湿度」および「蒸散」については、2021年度に引き続き、本実験のための準備を実施していたが、関連する国内企業2社から意見を聴取したところ、そもそも試験に使用するインデンターの製造コストが高すぎるとの回答を得た。また、インデンターのサイズが欧米の身体寸法データを元に規定されていることから、日本国内で製造されたクッションの性能を正しく評価できない可能性が浮上してきた。そのため、このインデンターの作製の低コスト案の検討を開始するとともに、企業等と協力して、日本人の最新の身体寸法データの取得を開始した。 残りの低コスト案である「静的安定性」については、上記の「試験用ダミー」の考察結果に影響を受けることから、これの妥当性・信頼性の検証は一時保留とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
低コスト案のうち1件(試験用ダミー)については、本実験および考察を実施することができた。別の低コスト案1件(せん断)についても、主要な実験を完了させるとともに、ISO規格化(技術仕様書開発)を目指した国際タスクグループを形成することができた。「温湿度」および「蒸散」の2つの低コスト案については、調査結果に基づいて研究の軌道修正をすることとなったものの、関係する企業等の賛同を得て、「インデンターの作製の低コスト案」の検討を開始するとともに、「日本人の最新の身体寸法データ」の取得を開始することができた。以上のとおり、4件の低コスト案については、当初の計画以上とも言える成果も得られたが、研究開始時の目標である「2022年度末までに、6件の低コスト案の、妥当性と信頼性の検証の完了」を踏まえると、総合的に、「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1件の低コスト案(試験用ダミー)については概ね完了している。別の3件の低コスト案(せん断、温湿度、蒸散)については、完了に向けて、引き続き、妥当性・信頼性の検証を実施していく。なお、このうち1件(せん断)については、当初の計画以上の成果(ISO規格化に向けた国際タスクグループの形成)を得られたが、これについても継続して実施していく。残りの2件の低コスト案である「静的安定性」と「キャスタ」については、妥当性・信頼性の検証を実施する予定であるが、必ずしもこれらの完了を待たず、2023年度の目標である「質的研究手法を応用した試験規格開発指針の作成」に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度は、概ね順調に必要な出張および実験を遂行できたが、出張先での機器使用料等が、想定より若干安かった等の理由により、次年度使用額が生じた。この次年度使用額は、必要な物品の購入等に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)