2021 Fiscal Year Research-status Report
Building semantic basis of information design and graphics
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20K12782
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 有理 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (90750480)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 視覚表現 / 否定 / コミックイラスト / 写真 / 実世界データ / 画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目である2021年度は、昨年度に引き続き「否定」の認識に焦点を当て、それがどのように視覚的に表現・認識されうるのかを明らかにすることを目的として、研究を進展させた。とくに、写真とコミックイラストの実世界視覚表現のデータ分析を用いて検討した。画像キャプショニング課題を用いた実験により、従来の見解に反して、一部の視覚表現が否定を表現できることを示した。さら、画像が否定を表現できる理由を分析するために、否定に関連する画像と関連しない画像の分類課題を用いた実験を行い、機械学習(深層学習)と人間のパフォーマンスを比較した。その結果、人は画像には直接描かれていない背景知識や常識を利用して否定を認識しているのではないかということを議論した。 研究成果としては、おもに2つの査読付き国際会議論文にまとめた。一つは、"Visual representation of negation: Real world data analysis on comic image design"というタイトルでCogSci 2021会議、もう一つは、"Can humans and machines classify photographs as depicting negation?"というタイトルでDiagrams 2021会議において発表・出版した。また、昨年度より計画していた通り、この2つの速報版の国際会議論文を基に、さらに背景や分析を加筆し一つのジャーナル論文としてまとめた。それを本年度中に投稿し、現在、under reviewの状態にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2つの査読付き国際会議論文に成果をまとめることができた。一つは、"Visual representation of negation: Real world data analysis on comic image design"というタイトルでCogSci 2021会議、もう一つは、"Can humans and machines classify photographs as depicting negation?"というタイトルでDiagrams 2021会議において発表・出版された。また、昨年度計画していた通り、この2つの国際会議論文を基にさらに加筆したジャーナル論文の執筆を行い、本年度中に投稿することができた(現在、査読中)。
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Strategy for Future Research Activity |
否定の視覚表現に関するについては、投稿中のジャーナル論文の査読コメントを受け取り次第、その修正にとりかかる。2022年度中のアクセプトを目指す。 さらに「否定」以外の「全称量化」と「意図述語」の視覚表現に関する研究も開始し、2022年度中に査読付き国際会議論文にまとめることを計画する。
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Causes of Carryover |
2020年度に引き続き2021年度も、新型コロナウイルス(COVID-19)による学会・ミーティングの物理的開催の中止が相次いだため、旅費としての支出がなく、主に旅費項目に関して計画変更が大きく生じた。今後は物品費や人件費など、研究遂行に必要な費用として追加して使用する予定である。
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Research Products
(6 results)