2023 Fiscal Year Annual Research Report
フランス現象学の領域横断的展開を踏まえた対話の哲学の系譜学的再編
Project/Area Number |
20K12793
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
佐藤 香織 神奈川大学, 国際日本学部, 非常勤講師 (50839404)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フランス現象学 / レヴィナス / ローゼンツヴァイク / ドイツユダヤ思想 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の研究成果を以下に報告する。まず、『見ることに言葉はいるのか:ドイツ認識論史への試み』(弘前大学出版会)が4月に出版された。カトリーヌ・シャリエ『無限者の痕跡』の全訳を終え、2024年度出版予定となった。論考「生の基盤としての信頼:懐疑的態度への抵抗」を『哲学を創造する ひとおもい5』に寄稿した。2023年9月16日に開催されたレヴィナス協会第6回大会(基盤研究(C)「哲学史的連関におけるレヴィナス哲学とその現代的意義の研究」)においては、事務局として運営準備を進め、シンポジウム「レヴィナスと政治」にて司会を務めた。2024年1月21日には口頭発表「同一批判の諸相 :ローゼンツヴァイク「『救済の星』の原細胞」から レヴィナス『全体性と無限』へ」を第35回哲学論集研究会で行った。1月26日に、学術変革領域 A「尊厳学の確立:尊厳概念に基づく社会統合の学際的パラダイムの構築に向けて」 尊厳学フォーラムA02班研究会において、「集合的記憶と尊厳――東日本大震災の被災地の記録を通じて」と題した発表を行った。3月3日には、レヴィナス協会主催のジョスラン・ブノワ氏特別セミナー/講演会にて、仏語による口頭発表" "Ich bin schon da" et "Me voici" :L’interpretation de l’identite chez Heidegger et Levinas"を行った。 期間全体を通じては、『レヴィナス読本』をはじめとするレヴィナスおよびローゼンツヴァイク研究に関わる複数の共著の執筆、デュフレンヌに関する諸発表(現象学会、実存思想協会、日仏哲学会)、リクールに関する口頭発表(日仏哲学会)その他の発表を通じて、レヴィナスを含むフランス現象学、またローゼンツヴァイクやコーエンといったドイツユダヤ思想に関する多くの研究成果を得られた。
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