2021 Fiscal Year Research-status Report
Historical reserch of the Kant-interpretations in phenomenological tradition and systemtic investigation of the phenomenological transcendental philosophy
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20K12799
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Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
池田 裕輔 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 講師 (80748525)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 現象学 / 超越論的哲学 / フッサール / ハイデガー / フィンク / カント / 純粋理性批判 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下、本年度における報告者の研究経過および研究実績の概要について記す。 (研究経過)本研究課題「現象学における包括的カント解釈・批判史の構築と現象学的な超越論的哲学の体系的解明」は、以下3点の個別の研究計画からなるものである: ①「フッサールにおける『純粋理性批判』の「超越論的感性論」を中心としたカント解釈・批判とフッサールにおける超越論的哲学の内実の体系的解明」。②「ハイデガーにおける『純粋理性批判』の「超越論的分析論」を中心としたカント解釈・批判とハイデガーにおける超越論的哲学の内実の体系的解明」。③「フィンクにおける『純粋理性批判』の「超越論的弁証論」および「超越論的方法論」を中心としたカント解釈・批判とフィンクにおける超越論的哲学の内実の体系的解明」。本年度は、研究開始当初の計画では、②の作業に従事する予定であったが、結果として、①、②の作業を並行しておこなうこととなった。①に関しては、前年度までの研究を通じて、フッサールとカント両者の超越論的哲学における「形而上学」の位置づけの相違が重要であることが判明したため、カントとフッサールにおける「形而上学」の理念と内実を解明するための文献読解作業に着手した。②に関しては、ハイデガーのカント解釈に関する先行研究の読解および主著『存在と時間』における超越論的哲学の理念解明のための文献読解作業に従事した。なお、当初、第3年次に実施予定であった③に関しては、前年度段階で、研究計画の大部分を既に完了したため、複数の論文投稿の準備、また、査読対応等をおこなった。(なお、当該の諸論文は、2022年度以降に順次、公刊される)。 (研究成果)また、本年度は、本研究に関連する研究成果として、共著2点の公刊をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由 本年度は、当初の計画では、②「ハイデガーにおける『純粋理性批判』の「超越論的分析論」を中心としたカント解釈・批判とハイデガーにおける超越論的哲学の内実の体系的解明」に集中する予定であったが、同時に、前年度までの①「フッサールにおける『純粋理性批判』の「超越論的感性論」を中心としたカント解釈・批判とフッサールにおける超越論的哲学の内実の体系的解明」の研究を通じて、新たに「フッサールにおける超越論的哲学と形而上学の関係の解明」の必要性が判明したため、これを目的とした文献研究に着手し、また、③「フィンクにおける『純粋理性批判』の「超越論的弁証論」および「超越論的方法論」を中心としたカント解釈・批判とフィンクにおける超越論的哲学の内実の体系的解明」に関連する論文投稿準備なども並行しておこなった。このことから、結果として、当初、1年次、2年次、3年次に実施予定であった研究内容も並行してここなうこととなり、特に、第3年次実施予定であった③の作業は、当初の予定をほぼ完了している加えて、本年度は、共著2点の公刊をおこなった。これらのことから、本研究は、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
(令和4年度)令和4年度は、上述のように、当初同年度に実施予定であった③「フィンクにおける『純粋理性批判』の「超越論的弁証論」および「超越論的方法論」を中心としたカント解釈・批判とフィンクにおける超越論的哲学の内実の体系的解明」作業をほぼ終えたことから、①の発展的研究課題である「超越論的哲学と形而上学の関係解明」作業および②の 研究作業の継続、また、それらの研究成果公開に従事するものとする。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、当初計画していた海外・国内での学会発表等が実施できなかった為。次年度使用額は、351円と少額の為、物品購入費に用いるものとする。
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[Book] Phaenomenologie und spekulativer Realismus. Phenomenology and Speculative Realism. Phenomenologie et realisme speculatif2021
Author(s)
Yusuke Ikeda, Graham Harman, Frank Pierobon, Florian Forestier, Herman Inverso, Irene Breuer, Guillermo Ferrer, Nicolas Garrera-Tolbert, Sadra Lehman, Stanislas Jullien, Alfredo Vernazzani, Alexander Schnell, Peter Gaitsch, Bianka Boros, Claude Romano, Thomas Arnold, Arjen Kleinherenbrink, Aengus Daly
Total Pages
248
Publisher
Koenigshausen & Neumann
ISBN
9783826074127