2022 Fiscal Year Research-status Report
近世東アジアにおける儒教儀礼の研究―台湾の書院祭祀を中心として
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20K12828
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
簡 亦精 九州大学, 人文科学研究院, 専門研究員 (10767940)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 近世東アジア / 儒教儀礼 / 台湾 / 書院祭祀 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は前年度に引き続き、宋から清に至る書院の祭祀に関する資料の精査・精読を行った。当初計画ではその後、前年度までに準備、作成した研究データに基づき、実地調査実行の予定だったが、2022年度も依然として海外出張は難しい状況だったため断念せざるを得なかった。 本研究は、書院祭祀における儒教に立脚した伝統的な祭祀、及び台湾書院における文昌信仰と風水思想等に焦点を当て、書院祭祀の特質を考究するものである。原典の厳密な読解が主となるが、歴史学研究法の史料調査やフィールドワーク的方法による実地調査をも援用して多角的に行う予定であった。だが、新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大にともなう国内の出入国及び渡航先の受け入れ態勢の問題等から慎重に判断して、やむなく過去2年間は海外出張を見送り、研究計画は繰り返し見直しを行ってきた。 しかしながら、新型コロナウィルス感染症の世界的蔓延はもはや常態化し、Withコロナを前提に研究活動を遂行する必要に迫られた。そこで、本年度は、実地調査に備えて、前年度までに蓄積した調査対象に関する研究データを今一度精査する作業を行うとともに、「近世東アジアにおける儒教儀礼の研究」という本研究の本題に立ち返って、近世東アジア全域を視野に入れ、その儒教儀礼を考察するという作業を行った。具体的には東アジア諸地域における書院及び書院的性質の教学機関の持つ様々な特徴、役割、影響等を再検討し、その上で儒教儀礼の普遍性、地域性を考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
過去2年間は、新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大によって、海外渡航を含む研究環境が激変し、当初の研究計画を繰り返し大幅に見直した。本研究は海外実地調査に重点を置いており、パンデミック状況を慎重に見極める必要があったが、本年度も依然として改善の兆しは見られず、海外渡航を断念せざるを得なかったため、進捗状況は思わしくなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究開始以来、海外実地調査が困難な中、すでに収集した文献資料の精査・精読を継続していた。新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大の影響により、研究計画は3年連続、調整を迫られたが、今後は海外実地調査を実施すべく、研究期間を1年間延長し、研究を遂行していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大により、研究計画を3年連続して見直さざるを得なかった。特に実地調査が実現に至らず、それにともない科研費の使用計画も慎重に見直す必要が生じ、次年度使用額が生じた。 新型コロナウイルス感染症の感染状況の世界的な動向を慎重に見極め、実地調査を確実に実施し、次年度中に遅延なきよう使用する。
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