2021 Fiscal Year Research-status Report
Doctrinal disputes between Jesuits and Friars in 16th and 17th century Japan. Focusing on its political background
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20K12834
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 托鉢修道会 / イエズス会 / 宗教論争 / 秘跡 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度、マドリード市に保管されている、フランシスコ会イベロ・オリエンタル史料コレクション(以下にAFIOと省略する)に「AFIO 23-8」として登録されている史料の研究、翻刻、写真、現代語訳及び英訳を紹介する書物の準備を行った。この史料は、キリシタンの既存史料の大半は宣教師によってヨーロッパ人向けにポルトガル語及びスペイン語で書かれたものであるのに対して、ヨーロッパ人の宣教師と日本人信者の協力によって日本人向け(同時にライバルの宣教師向け)に書かれた稀有な史料であり、そこに更にスペイン語の文章が書き加えられている点で、非常にユニークな史料であるといえる。その内容を簡単にまとめると、1626-7年に東北地方で行われたイエズス会とフランシスコ会、つまりキリスト教宣教師同士の教義及び布教の権利を巡る論争である。この書物を出版するために、日本学術振興会の2022年度研究成果公開促進費(学術図書)に採択され、2023年1月に春秋社より、『日本のキリスト教迫害期における宣教師の「堅信」論争』という題目で刊行される予定である。 また、同年にこの研究テーマに関する二つの学術論文を準備し、2022年度に出版される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナにより、2021年度において海外調査を控えた。その結果、元の計画より進捗状況が遅れている。但し、コロナ以前に調査を行った際に撮影した史料の研究を行うことができた。そして今年度より海外調査を再開する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、本研究プロジェクトと関係ある研究発表を4回に渡って国内・国際学会及び研究会において行う予定である。更に、学術論文の準備を進めたい。そして、上記の書物『日本のキリスト教迫害期における宣教師の「堅信」論争』を完成し、出版される予定である。
最後に、以下の海外調査を行う予定である。 ・2022年7-8月、スペインのバレンシア市にある旧バレンシア王国文書館、マドリード市にあるスペイン王立歴史アカデミー付属図書館、マドリードにある国立文書館及びフランシスコ会中央史料館。 ・2023年3月、スペイン、バレンシア市にある旧バレンシア王国文書館、スペイン、マドリード市近郊にあるイエズス会スペイン文書館アルカラ・デ・エナーレス、イタリアのローマ市にある福音宣教省歴史文書館及びアウグスティヌスレコレトス中央史料館。
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Causes of Carryover |
2022年の7-8月及び2023年の3月に海外調査を行うため、研究書物を購入するため、論文の準備を行うためのネイティブチェック、校閲を依頼するため、研究(特に研究調査)に関する物品を購入するため。
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