2020 Fiscal Year Research-status Report
The representation and discourse analysis of celebrity in visual media of wartime/postwar Japan
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20K12843
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
北村 匡平 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 准教授 (70826502)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 有名人 / 映画スター / ジェンダー / ナショナリズム / メディア / 戦後民主主義 / 国策映画 / プロパガンダ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は戦中から戦後にかけて大衆娯楽メディアにおいて、いかにナショナル・アイデンティティが物語として仮構されていったのか、その変遷を映画におけるペルソナの表象分析と、そのイメージを価値づける言説の分析から明らかにすることを目的としている。とりわけ「女性」や「子供」がどのような役割を演じたのか、また映画以外のメディアにも着目することで同時代のジェンダー・セクシュアリティ規範をいかに成立させているのかを分析することを目指して研究を進めた。 今年度の主な計画は国内の資料調査と映像のアーカイブ化であり、前者は予定よりも遅れ、後者は順調に進めている。まず戦前から戦中に活躍した入江たか子、山田五十鈴、田中絹代、李香蘭などのスター女優に関する調査を進めていく予定で、国会図書館、早稲田大学演劇博物館、国立映画アーカイブ、川喜多記念文化財団、松竹大谷図書館、東宝資料室、関西では京都文化博物館、東映太秦映画村映画文化館などで、映画雑誌やシナリオ、プレスシートを収集するつもりだった。 しかしながら、新型コロナウイルスの流行のために国内出張もほとんどできない状況だった。閉館する施設が多く、唯一抽選制だが遂行できたのが国会図書館での資料収集であった。上述した映画女優に関する映画雑誌の資料を複写し、いくつか必要な研究資料は購入した。だが、他の施設には行くことができなかったため、計画の予定よりも遅れる結果となった。その分、映像資料を集め、アーカイブする作業を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述のように新型コロナウイルスの流行によって資料調査する予定の施設が閉鎖したり、抽選制になったりしていたため、思うように調査を遂行することが難しかった。 主に調査できた機関は、国会図書館だったが抽選制度が採られ、毎週申請しても運が良くて週に1回程度しか当選せず、順調に進展しているとは言い難いためにやや遅れていると評価した。資料調査が捗らなかった分は、映像資料の収集やアーカイブに時間と予算を使った。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は当初の予定だとアメリカのコロンビア大学マキノコレクションやメリーランド大学プランゲ文庫などで調査を行う予定だったが、新型コロナウイルスの状況が改善されるとは思われず、出張は難しいように思われる。 そのため主に2020年度に調査予定だった国内の機関で資料調査を行うこととする。これまでは戦前・戦中の映画関連資料を集めたため、今後は占領期やポスト占領期の国内の資料を中心に調査を進める。 また集めた資料の整理と映像のアーカイブ作業をRAを雇用して進める。本来であれば国外の資料を集めてから論文を執筆する予定だったが、国内の資料を主として執筆可能な戦前から戦中にかけての論文執筆を進め、後から資料を追加しつつ加筆する方法に変える予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの流行のため初年度に予定していた国内の資料調査や学会への参加が行けなくなり、旅費をまったく使うことができなかった。 また資料の整理やアーカイブ作業のために予定していたRAでの雇用に際する人件費・謝金も使用することができなかった。所属ゼミ生を雇用して作業を実施する予定だったが、学内への登校が原則禁止になり、登校可能になっても危険な状況が続いたため、仕事の依頼をすることを控えた結果である。 今後はコロナウイルスの状況を見て、所属ゼミ学生が登校できるようになったらRAの作業を依頼する。また遅れた分、複数名の学生を雇用して資料整理を進めていく予定である。
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Research Products
(3 results)