2021 Fiscal Year Research-status Report
The representation and discourse analysis of celebrity in visual media of wartime/postwar Japan
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20K12843
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
北村 匡平 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (70826502)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 有名性 / 映画スター / ジェンダー / ナショナリズム / メディア / 戦後民主主義 / 国策映画 / プロパガンダ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は戦中から戦後にかけて映像メディアにおいて構築されるナショナル・アイデンティティを有名人がいかに体現していったかを、表象と言説の関連から明らかにするものである。主な対象は戦前から現代にいたるセレブリティのイメージと言説であり、そのために映画を中心とする資料のアーカイブと、ファン雑誌などの資料を収集した。 昨年に引き続き、映像資料のアーカイブと雑誌の資料調査を中心に進めた。コロナ禍で出張の制限があり、都内の国会図書館を中心に資料を集めて分析した。戦前から戦後にかけて活躍した映画スターの入江たか子、山田五十鈴、田中絹代、李香蘭、長谷川一夫、高峰秀子、原節子、京マチ子、若尾文子、美空ひばりなどのファン雑誌の言説の分析を進めた。また現在では特に90年代に一世を風靡した女性アーティストとして、社会現象となった椎名林檎の有名性をジェンダー史に位置付けるため調査し、文芸誌に連載「椎名林檎論:乱調の音楽」として発表した。またデジタル時代における有名性の研究の成果としてYouTuberやバーチャルYouTuberを対象とする論文を、伊藤守編『ポストメディアセオリーズ:メディア研究の新展開』に掲載した。 またこれまで執筆したスター研究の論文をまとめて『アクター・ジェンダー・イメージズ:転覆の身振り』を刊行した。昨年度は資料収集とアーカイブの作業が中心だったが、今年度は資料の分析をし、世田谷市民大学の社会コースの講座「映画女優たちの戦前/戦後」でレクチャーをした。また90年代の女性の有名人として椎名林檎の資料収集と分析をし、『文學界』で14回の連載をした。予定では1970~80年代のアイドルの資料調査をする予定だったが、コロナウイルスによる制限で、調査に行く機会が減り、やや遅れが生じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの流行によって多くの施設が閉館・抽選制になり、後者の制度をとった国会図書館に予定していたほど通うことができなかったため、資料調査に関しては計画していたよりも遅れが生じた。一方、成果の発表としては文芸誌におけるアーティストの連載、スターのジェンダー論の単著の刊行、アンソロジーでのデジタル時代の有名性の論文の掲載ができたため、順調とみなし「おおむね順調に進展している」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は海外の資料調査を予定していたが、コロナウイルズの流行によって国外出張が難しくなり、調査予定の機関に行くことができなかった。2022年度は状況が改善されたら、コロンビア大学牧野コレクションやメリーランド大学のプランゲ文庫に調査に行く予定である。 海外の調査が難しければ、これまでの国内の資料調査の続きを実行する。また戦前・戦中・占領期のドキュメント資料や映像資料のアーカイブ作業をRAを雇用しながら進めていくつもりである。
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Causes of Carryover |
国内・国外の出張がまったくできなかったため旅費の使用ができなかった。また、人件費に関しても雇用しているRAが基本的に自宅での作業が中心となったため、大学での資料整理ができず、自宅でできることのみに制限したため、想定していた金額を使うことができなかった。 今年度は所属学会が対面化する予定のため、国内出張による学会の参加や資料調査の国内出張を再開し、可能ならば前年度の経費を当てて国外への資料調査も実施したい。
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Research Products
(6 results)