2022 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Ballet in National/Popular Theater in Western Europe at Turn-of-the-century
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20K12848
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Research Institution | Kyoto Seika University |
Principal Investigator |
山田 小夜歌 京都精華大学, 国際文化学部, 講師 (40825204)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | エクセルシオール / 翻案 / アダプテーション / バッロ・グランデ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、歌劇場などの「大劇場」と、ミュージックホールやヴァラエティなどの「大衆向けの劇場」におけるバレエの相互連関の事例を検証し、19-20世紀転換期西欧の多様なバレエ上演のあり方を捉えようとするものである。 2022年度は、昨年度の事例研究からみえてきた英国の大衆的劇場とイタリアの大劇場文化の関連に着目して史資料調査と分析を行った。世紀末イタリアを代表する振付家ルイージ・マンゾッティの「バッロ・グランデ」作品群、とくに《エクセルシオール》の世界的な展開は、以降の大劇場と大衆的劇場の相互連関をさらに進める契機になったと思われる。この仮説を具体的に検証するため、従来の《エクセルシオール》の作品研究およびアダプテーションに係る二次文献を精査した。さらに、同作の英国での翻案上演の実態と受容およびその後の影響について、デジタルアーカイブを用いて新聞雑誌記事の調査を行い、手元にある一次資料とあわせて分析・考察を進めた。本年度後半には、イタリア国内の資料・図書館等施設のオンライン調査の制限が緩和されアクセス可能な資料が増えたことで、英国ほか各地での翻案上演に関する史料も複数入手することができた。 また、《エクセルシオール》の日本への伝播とアダプテーションについても考察を行い、研究成果の一部を所属学会にて発表した。本研究課題は主に西欧の事象を扱うものだが、この検討を通して、個々のバレエ作品の特色、各種劇場の社会的位置づけ、劇場の存立とそれにかかる上演作品の選定・改訂が、それぞれ相互に連関しつつ展開していく様子があらためて浮き彫りになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究初年度よりコロナ禍の影響を受け、さらに世界情勢の悪化により海外での現地資料調査が実行できていないことが最大の理由である。加えて本年度は申請者の所属機関異動により新規学内業務への従事等に時間を充てたこともあって、研究は当初の予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度中に検討を進めてきた《エクセルシオール》の翻案上演と受容、および各種劇場の存立とのかかわりについて、学術雑誌に投稿するための準備を行う。また、海外渡航の具体的な見通しがついたため、国外での資料調査を実施する。これまでオンラインアクセスが不可能だった史資料を渉猟し、既存の資料とあわせて精査を行うことで、とくに世紀転換期の英国の大衆的劇場とイタリアの大劇場文化の親和性ついて、政治や社会などより広い視点からとらえるべく考察を進めたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍および世界情勢の影響により、計画していた海外渡航調査が3年度続いて実施できなかったことにより繰り越し金額が発生している。その分は、計画中の海外調査実施のための旅費、国内資料調査(東京ほか)の旅費、書籍購入や資料取り寄せ・複写費用、資料の翻訳費用、さらには在外研究者の招聘費等に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)