2021 Fiscal Year Research-status Report
劇場建設が都市景観の形成に与えた影響―近代大阪の劇場大工・中村儀右衛門に着目して
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20K12854
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
藤岡 真衣 関西大学, 研究推進部, 非常勤研究員 (20774607)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 劇場建設 / 近代大阪 / 道頓堀 / 中村儀右衛門 / 都市景観 |
Outline of Annual Research Achievements |
明治期以降における日本の劇場研究については、東京に関していえば、劇場設計者や構造が演劇史や建築史の分野でこれまで明らかにされている。一方、大阪については、劇場建設に直接関わった人物の資料が見当たらなかったこともあり、詳しく検討されてこなかった。しかし、「大阪の劇場大工 中村儀右衛門資料」(関西大学なにわ大阪研究センター蔵)から、明治期から大正期にかけての大阪各地の劇場を、中村儀右衛門が設計・建設・修繕したことが明らかになった。 本研究は、これまでの劇場研究を踏まえ、「中村儀右衛門資料」や当時の新聞記事等をてがかりとしながら、明治期以降における大阪の劇場工事の経過や興行関係者を解明することで、劇場建設が都市景観の形成に与えた影響を考察することを目的とする。 2021年度は、大阪の劇場建設と都市景観の形成に関わる調査を実施した。本研究では、劇場建設が大阪の都市景観の形成にどのような影響を与えたのかを検討するという点から、中村儀右衛門がてがけた道頓堀の劇場に焦点をしぼり、劇場建設・興行に関連する新聞記事・文献資料・絵画資料・演劇関係資料を中心に調査を行なった。 主に関西大学図書館・国立劇場伝統芸能情報館図書閲覧室での資料調査を実施するとともに、オンラインのデジタルコレクションやデータベース等を使用して資料の収集とデータの保存を行なった。これに加えて、大阪の芸能興行や近代建築に関する研究図書・論文等も収集した。 収集・保存した資料のうち、新聞記事・文献・演劇雑誌の記事等については、デジタル化(翻刻およびデータ入力)を進め、それらの内容の分析を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、劇場建設・興行の関連資料を所蔵する図書館・資料館・博物館施設等での調査・閲覧を予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、予定していた現地での資料調査の一部を実施することができない状況となり、資料収集にやや遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、これまでに実施した資料調査の分析を進めた上で、劇場建設・興行の関連資料を所蔵する図書館・資料館・博物館施設等において補足調査を行ないたい。なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況によっては、現地調査が計画通りに進まないことが懸念されるため、2021年度に引き続き、2022年度もオンラインのデジタルコレクションやデータベース等を用いた資料調査・収集を継続する予定である。 「中村儀右衛門資料」をてがかりとし、当時の新聞記事、関連する文献資料・絵画資料・演劇関係資料等の収集・分析によって、近代大阪の劇場工事の経過や興行関係者の動向を把握し、劇場建設が都市景観の形成に与えた影響を考察したい。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では、関連資料を所蔵する図書館・資料館・博物館施設等での調査・閲覧を予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響により、予定していた現地での資料調査が実施できず、調査にかかる交通費および宿泊費等の諸経費を次年度に繰り越すこととなった。 2022年度は、これまでに実施した資料調査の分析を進めた上で、劇場建設・興行の関連資料を所蔵する図書館・資料館・博物館施設等において補足調査を行なう予定である。
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