2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K12865
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
辻 泰岳 筑波大学, 芸術系, 助教 (10749203)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 共同 / フォーラム / 素描 / ドローイング / 映写 / 写実 / テクノロジー / マテリアリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
この課題ではアジアおよび太平洋上における大戦後(戦後)の美術を史的に検証するため壁画や広場に着目する。1年目にあたる2020年度には新たな調査に取り組む一方で、その礎となるこれまでの成果をまとめ公開するための作業を進めた。まずニューヨークのミュージアム・オブ・モダン・アートで開催された「Japanese Household Objects」展(1951年4月17日-6月18日)に関する論文が『文化資源学』に掲載された。また『展示の政治学』(2009年)に続き2016年から2018年まで立教大学で開催された会の成果として『ミュージアムの憂鬱 揺れる展示とコレクション』(2020年)が刊行された。この図書にはピーター・グラックとヘンリー・スミス、多木浩二が企画した「Shinjuku: The Phenomenal City」展(1975年12月16日-1976年3月7日)について、追加の調査で明らかにすることができた事項を反映した論文が掲載されている。あわせて2021年2月22日には、ニュー・サウス・ウェールズ大学が主催する会議において口頭で発表する機会を得た。さらに単著『鈍色の戦後 芸術運動と展示空間の歴史』を刊行し、占領と高度経済成長、それ以降に開催された展覧会や博覧会について検証した成果を広く示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度には論文や図書、口頭による発表など多くの成果を示すことができた。また継続的に取り組んでいる聞きとりについても、口述の記録として日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴのwebsiteで公開することができた。以上をふまえ、順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度にはひきつづき文書や図面、写真などの収集と分析をすすめ、段階的に成果を発表していく。
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Causes of Carryover |
予定していた調査を延期するため調整を要した。
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Remarks |
辻泰岳、足立元「高濱那江子オーラル・ヒストリー」2016年6月21日、2021年3月18日に公開、日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴ(www.oralarthistory.org)
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