2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on the paintings of the Anhui regions in the Ming and Qing Dynasties
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20K12876
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Research Institution | The Museum Yamato Bunkakan |
Principal Investigator |
都甲 さやか 公益財団法人大和文華館, その他部局等, 学芸部員 (80706755)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 美術史 / 東洋史 / 中国絵画史 / 中国美術史 / 文人画 / 安徽 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、17世紀に安徽地方で確立した「安徽派」とよばれる画派について、①画風の選択意図、②人的交流、③郷里への顕彰意識という3つの観点から主に考察することで、その形成と発展の実相を明らかにすることにある。それにより、絵画を生み出す「場」の重要性という美術史における普遍的課題について、安徽を中心とする16~18世紀の中国江南地方の事例を提示することができると考える。 当該年度は、前年度に開催した展覧会「特別展 墨の天地―中国 安徽地方の美術―」(於大和文華館)の成果をもとに、本展で展示した作品数件のより詳細な個別研究を進めるとともに、新たな関連作品についても調査、研究を行った。その結果、各画家の画風の形成過程や選択意図、同時代の江南文人ネットワークにおける交流といった課題について、更に一歩考察を深めることができた。 これらの成果は、適宜論文や研究発表、講演会などで公表するとともに、当該年度に開催された展覧会「特別企画展 東アジア文人の肖像―書画と文房具-」(2022年2月18日~4月3日、於大和文華館、入館者数:3.370名)においても反映し、公に提示した。また研究に関連する海外学者の論文を翻訳し、論文集などで提示することで、より本課題が国内で共有され、相互の研究の進展をはかることができるようにした。更に研究成果は、国内外の研究者にウェブで送信あるいは書籍を郵送することで共有をはかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年と引き続きコロナ禍であったため、史料蒐集や実見調査が当初の予定通り行えないこともあったが、展覧会や講演会、論文などによる研究発表を通して、研究者のみならず一般の方々にも成果を伝えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに開催した展覧会や研究発表の成果、蒐集した文字史料及び絵画資料などをもとに、本課題についての考察を深めていきたい。 なお当該年度の成果と、2022年度の成果の一部を、本年に開催予定の展覧会「特別企画展 明清の美―15~20世紀中国の美術」(2022年11月18日~12月25日、於大和文華館)で発表するべく、げんざい準備を進めている。
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Causes of Carryover |
東日本方面で予定していた、関連する作品調査および資料収集のための出張数件が、ちょうど新型コロナウィルス蔓延防止期間に入り、中止となったことによる。 次年度、予定通りに調査を行うことで使用する所存である。
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Research Products
(11 results)