2022 Fiscal Year Research-status Report
Research on the paintings of the Anhui regions in the Ming and Qing Dynasties
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20K12876
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Research Institution | The Museum Yamato Bunkakan |
Principal Investigator |
都甲 さやか 公益財団法人大和文華館, その他部局等, 学芸部員 (80706755)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 美術史 / 東洋史 / 明清史 / 中国美術史 / 文人画 / 安徽 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、17世紀に安徽地方で確立した「安徽派」と呼ばれる画派について、①画風の選択意図、②人的交流、③郷里への顕彰意識という3つの観点から主に考察することで、その形成と発展の実相を明らかにすることを目的とする。それにより、16~18世紀の中国でおこった地方画壇のケースから、絵画を生み出す「場」の重要性という、美術史における普遍的課題の一様相を明らかにすることができると考える。 当該年度は、2020年度に開催した展覧会「特別展 墨の天地―中国 安徽地方の美術―」(2020年10月10日~11月15日、於大和文華館)における成果を継承発展させつつ、2021年度~2022年度におこなった文字史料・絵画資料の収集、関連作品の調査などといった研究の蓄積をもとに、「特別企画展 明清の絵画―15~20世紀中国の美術―」(2022年11月18日~12月25日、於大和文華館)を開催した。更に研究の成果は、当展観の図録や講演会、その他論文などにおいて、公に提示した。これらの成果は、国内外の研究者にウェブで送信、あるいは書籍を郵送し、情報の共有を行った。 本年度までの研究を通して明らかになったのは、16~18世紀中国の地方画壇が、実際には郷里のコミュニティという枠組みにとらわれず、各地を往来して他の地域の画家達ともさかんに交流し、その中で他所の画風や画作の際の思想を受容・共有したこと、またその過程で、かえって他とは異なる郷里ならではの絵画様式はいかなるべきかという問題意識をもち、それが各地方画壇の絵画様式の相異へと結びついていった可能性が高いということである。こうした見解を、前述の「明清の絵画」展の展示や展観図録などにおいて、実際の書画作品や文字史料を通して提示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、研究成果を公表すべく展覧会の開催や図録の発行を行い、それをもとに多くの研究者と意見交換をすることができただけでなく、一般の方々にも提示することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者は、補助事業期間中である2020年度、2022年度、本研究に関連する展覧会を所属館で企画開催し、展観図録の作成、講演会や論文の発表などによって適宜研究成果を公表してきた。最終年度となる2023年度には、これまでの成果を継承・発展させつつ、全体の成果展となる関連展覧会(2025年度予定)にむけての資料収集、企画準備を行いたい。
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Causes of Carryover |
2022年度末に購入予定であった物品の納品が、諸事情により2023年度になったため、支払いも2023年度に引き延ばすこととなった。現在、予定通りに物品は購入・支払い済みである。
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Research Products
(7 results)