2021 Fiscal Year Research-status Report
名物裂を中心とした日本伝世古渡裂の歴史的・技法的成立過程を探る研究
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20K12880
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Research Institution | Kyushu National Museum |
Principal Investigator |
桑原 有寿子 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部企画課, 研究員 (50784039)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 名物裂 / 染織 |
Outline of Annual Research Achievements |
「名物裂を中心とした日本伝来古渡裂の歴史的・技法的成立過程を探る研究」は、現在日本にて名物裂と呼称される種の古裂について、国外、特に中国において新発見されている出土染織品と比較しながらその成立の過程を探るものである。当初、2021年度は中国国内の研究者と協力して中国に残された染織品の調査を行い、日本伝世裂の歴史的背景と技法を明らかにする研究を行う予定であった。しかしながら昨年度と同様に、新型コロナウィルス感染症感染拡大防止措置を受けて海外調査を行うことが難しく、日本伝世裂の調査を行う事となった。 日本伝世裂の調査としては、個人蔵の名物裂(鴻池家旧蔵の仕覆裂)および九州国立博物館所蔵の前田家旧蔵染織品を中心に、顕微鏡調査および高精細画像の撮影、赤外線(IR)撮影を昨年と同様に継続して行った。九州国立博物館所蔵の前田家旧蔵染織品については、全38面のIRの撮影が完了した。 また、国内の古裂の出張調査としては、以下の通りである。8月24日(火)に東京国立博物館における関市春日神社所蔵の能装束4領の調査、長崎県平戸市の松浦史料博物館の所蔵染織品調査(7月29日~31日、11月25~26日、令和4年1月20日~22日)。令和3年3月17日には、「松浦家の染織品」と題して、調査報告会を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度から継続して新型コロナウィルス感染症感染拡大を受けて中国における染織品調査が行えなかった。また、海外研究者を招聘しての国内共同調査や研究会についても未開催となった。本研究には中国における新出土染織品の調査が不可欠であることから、現地調査が行えるようになるまで研究は当初の目的を満たさず、遅延が継続することが見込まれる。昨年度末に2021年度の推進方策を「2021年度は日本伝世の名物裂の高精細撮影及び赤外線(IR)撮影を推進する。」と修正したが、この事業は遅延なく推進できている。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの進捗状況」に記載した事由により研究が遅れている。2022年度も海外出張が行われない可能性を勘案して、引続き国内での調査研究を積極的に行いながら、国外調査も検討したく、以下のように進行を修正する。 2022年度は国内の古渡裂の調査研究及び中国内での調査を推進する。 2023年度は学会での成果発表、および本研究の報告書の発行を行う。
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Causes of Carryover |
海外調査が行われなかった事由により、繰越金が発生した。2022年度の調査に使用する。
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