2022 Fiscal Year Research-status Report
名物裂を中心とした日本伝世古渡裂の歴史的・技法的成立過程を探る研究
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20K12880
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Research Institution | Kyushu National Museum |
Principal Investigator |
桑原 有寿子 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部企画課, 研究員 (50784039)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 名物裂 / 染織 / 平戸 |
Outline of Annual Research Achievements |
「名物裂を中心とした日本伝来古渡裂の歴史的・技法的成立過程を探る研究」は、現在日本にて名物裂と呼称される種の古裂について、国外、特に中国において新発見されている出土染織品と比較しながらその成立の過程を探るものである。当初、2021年度は中国国内の研究者と協力して中国に残された染織品の調査を行い、2022年度は2021年度の海外調査結果をもとに海外研究者を招聘して合同研究会を行う予定であった。しかしながら2021年と同様に、2022年度も新型コロナウィルス感染症感染拡大防止措置を受けて中国における調査を行うことが難しく、今年度も日本伝世裂の調査を継続することとなった。 2022年度に完了した日本伝世裂の調査は次の通りである。2021年度に引き続き長崎県平戸市の松浦史料博物館の所蔵染織品の悉皆調査を継続して行った(11月16日~18日)。加賀藩の雑史『三壺聞書』(山田四郎右衛門、宝永年間成立)には、寛永14年(1637)に加賀藩主の前田利常が配下に命じて平戸にて古渡の輸入染織品を収集させた記述が残る。本記録にふさわしく、松浦史料博には様々な時代および種類の染織品が含まれる。今年度までに、染織品調査は全量のうち20%程度の調査が完了した。次に、名物裂のうち縞織物及びいちご裂の調査のため、沖縄県立博物館・美術館にて調査研究を行った(10月21日~23日)。 この他には、2023年度発行予定の報告書にかかる画像の取り扱いなどの検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度から継続して新型コロナウィルス感染症感染拡大を受けて中国における染織品調査が行えていない。また、2022年度に開催予定であった海外研究者を招聘しての国内共同調査や研究会についても未開催である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は中国への渡航が可能であることから、中国における調査研究および中国の研究者との学術交流を進める。また、これまで行ってきた出土裂や名物裂の画像収集、及び赤外線撮影の結果をまとめた報告書を作成する。また、5月には松浦史料博における調査報告を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大をうけて、中国における調査および中国人研究者の招聘が行われなかったことにより、繰越金が発生した。2023年度の調査に使用する。
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