2021 Fiscal Year Research-status Report
鳥取県内の映画の公共上映の実態とその担い手の映画体験に関する個人史研究
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20K12889
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
佐々木 友輔 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (10777824)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 公共上映 / 自主上映 / 映画館 / 鳥取 / 自主映画 |
Outline of Annual Research Achievements |
鳥取県内で映画や映像作品の公共上映に関わる団体・個人へのインタビュー調査をまとめたドキュメンタリー映画『映画愛の現在』の第1部を「第50回ロッテルダム国際映画祭」(2020年6月)、1・2・3部を「第14回恵比寿映像祭」(2021年2月)に出品・上映した。2021年6月には、追加の調査として、2021年に鳥取県湯梨浜町にオープンしたミニシアター「jig theater」への取材を行った。 また、鳥取において公共上映が行われる背景にどのような映画の視聴環境があったのかを把握するため、鳥取県内にかつてあった映画館とレンタルビデオ店の調査を始め、令和3年度は鳥取市内の映画館とレンタルビデオ店の外観写真の収集、開館・閉館情報をまとめた年表作成を行った。その研究成果をもとにして、鳥取県内で活動するアーティストとの協働により、過去にあった映画館とレンタルビデオ店をイラストで再現するプロジェクト「見る場所を見る:アーティストによる鳥取の映画文化リサーチプロジェクト」を企画し、2022年1月に調査報告展覧会「イラストで見る、鳥取市内の映画館&レンタルビデオショップ史」を開催した。2022年3月には同展覧会の記録集を刊行した。 上記調査を進める上では、鳥取新報や因伯事報などの地方紙に加えて、鳥取のタウン誌『スペース』の映画情報欄を活用した。同誌各号の誌面分析を行い、映画館、テレビ、レンタルビデオ店、公共施設など、地方都市における多様な映画鑑賞形態のありようを概観する論文「空間に遍在する映画史:鳥取のタウン誌『スペース』の映画関連情報を読む」を執筆した(『スペース』研究会編『街を見る方法 -『まちの本 スペース』とその時代-』小取舎、2022年、pp.188-205)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度中に、予定していた鳥取県東部の映画館とレンタルビデオ店に関する文献調査と年表作成はほぼ完了させることができた。また調査報告展覧会の開催により、本研究を鳥取に暮らす人々に広く周知することができ、結果、展覧会期間中に鳥取の映画文化に関する新たな資料や情報提供を得ることができた。中には、これまで十分に明らかになっていなかった鳥取の映画館や公共上映活動の実態を記録した貴重な資料も含まれており、さらなる研究の進展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
鳥取市内を調査対象とした令和3年度に続き、次年度は米子市と境港市にも対象を拡大して調査を行い、鳥取を拠点に制作活動を行うアーティストとの協働による調査報告展覧会を実施する予定である。また令和3年度の事業を通じて地域住民から提供された資料のデジタル化・データベース化を行う。展覧会や上映会を通じて来場者に情報提供を呼びかけることで、次年度の調査活動の基盤を作るサイクルを確立する。
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Causes of Carryover |
文献調査・資料整理のための学生アルバイトの賃金が、コロナ禍による日程調整などで変動したため、次年度使用額が生じた。小額のため、文献の購入費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)