• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

A Study of the Social Role of Contemporary Art as Cases of Artists Groups in Indonesia and Other Southeast Asian Countries

Research Project

Project/Area Number 20K12900
Research InstitutionProfessional Institute of International Fashion

Principal Investigator

廣田 緑  国際ファッション専門職大学, 国際ファッション学部, 准教授 (30796298)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords東南アジア / インドネシア / コレクティヴ / 協働 / ネットワーク / 美術家集団
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的はインドネシアを主とし、東南アジア諸国の具体的な事例から、現代美術の実践がどのように社会的な役割を果たしうるのか/えないのかを明らかにすることである。
第二次世界大戦後にアメリカで誕生したcontemporary artは、1970年代後半になってようやく、独立後の政治的混乱が残るインドネシアの美術家たちによって受容され、「民衆の代弁者」として世相を映し、政治を批判する発信力のあるスニ・コンテンポレル(seni kontemporer)として発展し現在に至る。しかし2007年頃から、中国に端を発する現代美術の市場バブルが起こり、民衆の代弁者だった現代美術は、マーケットで人気の、高額な投資としての新たな需要を生むこととなった。
現代美術バブルが落ち着いた2010年以降から、現代美術は再び社会の中で意義をもった実践へとその役割を変えていった。そのような流れの中、美術家だけではなく、音楽関係者、人類学者、社会学者、理系の知識を持った者など、多種多様なジャンル出身の若者が集団を結成する動きが生まれた。彼ら/彼女らは「コレクティヴ」と呼ばれるようになり、拠点とする地域の住民らに積極的にコミットした実践を試みている。
本研究はこうしたコレクティヴの実践に注目し、その役割を参与観察し、考察するものである。令和4年度の具体的な成果には、『協働と共生のネットワーク インドネシア現代美術の民族誌』を単著としてまとめ、出版したことが第一に挙げられる。また新型コロナウイルスによる心配もあった中、ドイツ・カッセルで開催された国際現代美術展「ドクメンタ15」を視察し、様々なコレクティヴの実践を見ることができたのは大きな収穫だった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

申請時に予定していたインドネシア以外の東南アジア諸国への現地調査が、新型コロナウィルスの影響により、令和4年までに実施できなかった。当時はいつ状況が変わるか見当がつかなかったため、文献での情報収集を主におこなった。このような理由で現地調査が全体に遅れている。
現在では円安の影響で航空運賃も高額になっているため、最終年度となる令和5年度は、オンラインで事前の情報交換や情報収集を密に行い、国内の機関(福岡アジア美術館ほか)でのリサーチを継続した上で、シンガポール、マレーシアでの短期調査を予定している。

Strategy for Future Research Activity

本研究では、筆者がもっとも長期でフィールドワークを行ってきたインドネシアを拠点をして、かつて調査に入ったことのない東南アジア諸国での現代美術の状況を参与観察することが大きな課題のひとつだった。しかし、残る1年間に本務校での仕事をもちながら複数国での現地調査は困難なため、事前の情報収集をしっかり行った上で、短期の現地調査を行う予定である。
最終年度となる令和5年は、これまでにオンラインでネットワークを形成することのできたマレーシアのコレクティヴ、シンガポール美術館の東南アジア関連の展示に焦点を当てた調査を計画している。

Causes of Carryover

令和4年度は、本研究の開始年度に新型コロナウィルスのため実施不可能であった現地調査が実現できた。これにより、現代美術の大型国際展ドクメンタ15の視察でドイツ調査が可能となったが、研究費の使用計画に少々誤算が生じてしまった。ドイツ調査をなかば断念したことにより、渡航費用を洋書購入と翻訳に費用を充てた上でドイツ渡航が重なったため令和4年度の使用額が予定より超過した。
令和5年度はこれまで以上に研究費の残額に細心の注意をし、シンガポールとマレーシアでの現地短期調査の計画を立てていきたい。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] ドクメンタ15におけるルアンルパの挑戦:《ルル学校》の実践で生まれたフォーマット2022

    • Author(s)
      廣田緑
    • Journal Title

      Tokyo Art Beat

      Volume: - Pages: -

    • Open Access
  • [Presentation] アーティスト・コレクティヴの協働実践~GUDSKULの事例から~2022

    • Author(s)
      廣田緑
    • Organizer
      中部人類学談話会第262回例会
  • [Book] 協働と共生のネットワーク:インドネシア現代美術の民族誌2022

    • Author(s)
      廣田緑
    • Total Pages
      496
    • Publisher
      グラムブックス
    • ISBN
      978-4-903341-25-5

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi