2023 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of the Social Role of Contemporary Art as Cases of Artists Groups in Indonesia and Other Southeast Asian Countries
Project/Area Number |
20K12900
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Research Institution | Professional Institute of International Fashion |
Principal Investigator |
廣田 緑 国際ファッション専門職大学, 国際ファッション学部, 准教授 (30796298)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 東南アジア現代美術 / コレクティヴ / 協働 / ネットワーク / インドネシア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、インドネシアを中心とした東南アジア諸国の具体的な事例から、現代美術の実践がどのように社会的な役割を果たしうるのか/えないのかを明らかにすることである。第二次世界大戦後、アメリカで誕生したcontemporary artは、1970年代になってようやくインドネシアの美術家らに受容され、「民衆の代弁者」という役割のもと政治批判の発言力をもった「スニ・コンテンポレル(seni kontemporer)」として発展した。 2007年前後の現代美術市場バブル以降を経た2010年あたりから現在にかけ、インドネシア現代美術は売買とは別の社会に対して意義ある実践として新たな表現方法を模索している。そうした流れの中、美術家がミュージシャン、パフォーマー、舞台関係者、人類学者や文学者、理系の研究者などと学際的につながった集団(コレクティヴ)が散見されるようになった。 本研究はこうしたコレクティヴの実践に注目し、参与観察のもとでその役割を考察するものである。最終年となった令和5年度の具体的な成果には、筆者とインドネシア美術家4名、キュレーター1名がプロジェクトのための「コレクティヴ」を結成し、名古屋で行ったアートプロジェクト「飯田街道プロジェクト」がある。人類学のフィールドワークの手法と、版画技術から生まれる美術作品を組み合わせ、地域住民との交流を軸とした協働作品を制作・展示することで、現代美術が社会と関わりその意義を提示する具体的な実践を実現させ提示することができた。このプロジェクトをもとに、今後発展する可能性が高い実践については、新たな課題として継続していきたい。
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Remarks |
(1)(2)は『青森公立大学 国際芸術センター青森 アーティスト・イン・レジデンスプログラム2023 "starquakes" 記録集』より (3)は『美術手帖』2024年4月号、pp.134-135
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[Remarks] 「ゲスト審査員選評」2024年、p.96
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[Remarks] 「微振動が共振共鳴する場所」2024年、pp.6-7
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[Remarks] 「ルアンルパ 教育領域からも注目されるオーガニックなアート実践」