2021 Fiscal Year Research-status Report
寺山修司演劇におけるジェンダー意識の萌芽としての＜女性もの＞の研究
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20K12913
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| Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
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Principal Investigator |
久保 陽子 富山高等専門学校, その他部局等, 講師 (10813701)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 寺山修司 / 少女 / 読者投稿 / For Ladies シリーズ / 唐十郎 / アングラ演劇 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、前年度に引き続き、本研究の中心的な関心である寺山修司の少女向けの作品群について、網羅的に調査・研究を行った。その上で、新書館から刊行された若い女性を読者として書かれたFor ladies シリーズの「寺山修司抒情シリーズ」と、寺山が編集を手掛けた読者投稿作品集「あなたの詩集」について、少女小説史の流れの中に位置づけつつ、寺山と読者との、また読者同士の影響関係を分析した。この研究の成果は論文「1960‐70 年代における少女文化の一展開としてのFor Ladies シリーズ－「寺山修司抒情シリーズ」と「あなたの詩集」を中心に－」『富山高等専門学校紀要』（第9号、2022年3月）として発表した。
また寺山と同時代の演劇人である唐十郎の作品に研究範囲を拡張し、「少女」と冠された初期の演劇作品・エッセイに着目し、少女表象の特徴を身体との関わりの中で分析・考察した。その研究の成果については、口頭発表「唐十郎の初期作品における女性表象―『少女仮面』と少女論を中心として―」（2021年日本演劇学会全国大会2021年6月26日）を行った。
また上記の研究と関連して、＜少女＞というイメージをめぐって、少女小説、少女詩、宝塚歌劇などにも目配りをし、時代とともに変遷する＜少女＞像が1960年代のアングラ演劇においてどのように表象されているかを、他のアングラ演劇人の作品においても検討するため、佐藤信、別役実、鈴木忠志の演劇作品の調査・整理を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は別の研究プロジェクトと重なったため、本研究に割けるエフォートが減少した。また2か月ほど病気療養していたため、研究が当初の予定より遅れている。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、＜少女＞という存在を意識的に扱った少女向けの作品群を経て、寺山の＜少女＞観ならびにジェンダー意識が、他の演劇作品とどう結節していくか、少女を含めた女性の身体表象を中心に研究を進めていく。
それと同時に、寺山と同時代の劇作家である別役実、佐藤信、鈴木忠志などの演劇作品における女性（少女）表象についても研究を展開し、アングラ演劇人たちが＜少女＞という存在をいかにとらえ劇作へと取り込んでいたのかを検討する。
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| Causes of Carryover |
学会での成果発表がオンライン開催だったため旅費を必要としなかった。また成果発表として国際寺山修司学会（ウィスコンシン大学）が予定されていたが、コロナの影響で2023年に延期になったため、旅費および原稿の翻訳料を使用しなかった。
この予算については来年度、別の学会での口頭発表の旅費にあてたい。また当初計画を出した研究機関から移動したため、利用できる図書館の蔵書が減少したことと当初の計画より研究範囲を広げているため、新たに必要となった文献資料の購入費にあてたい。また研究機関を移動したことに伴い、国会図書館や早稲田大学演劇博物館までの旅費が大幅にかかるようになったため、その調査研究の旅費にあてたい。
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Research Products
(2 results)
