2023 Fiscal Year Research-status Report
The Historical Transition of Representations of Poor Whites and Black Slaves in the modern American Literature
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20K12966
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
生駒 久美 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (00715063)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 貧乏白人 / 黒人逃亡奴隷 / 南部貴族 / 南北戦争 / トランスベラム |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、アメリカ学会第57回年次大会のワークショップ"Transnational Contact and Human Mobility"において、"Mark Twain in the Pacific:Figures of 'Half-Breed' in His Writings"というタイトルで発表をした。『ハワイ通信』に登場する通訳者ビル・ラグズデイルと『トム・ソーヤーの冒険』におけるインジャン・ジョーに焦点を当て、ハワイへの膨張政策と国内の西部開拓との間にある連続性を示し、帝国主義と人種問題の関連について考察を深めた。
またKeiko Noguchi著, Harriet Beecher Stowe and Antislavery Literature: Another American Renaissance (彩流社、2022年)の新書を紹介した。本の紹介を通じて、ハリエット・ビーチャー・ストウの作品を中心に人種と階級の接点を考える手がかりを得た。9月にはQuarry Farm Fellowshipsに選出され、約2週間、トウェインに縁のある屋敷やElmira Collegeで黒人(人種問題)および貧乏白人に関するトウェインの応答について研究調査を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マーク・トウェインに関しては、Quarry Farmに滞在する機会を得た結果、トウェインが数々の傑作を生み出したエルマイラという地で、トウェインとフレデリック・ダグラスとの関係性について考察を深めることができた。しかし、トウェイン研究に時間を割いた結果、チャールズ・チェスナット研究まで進めることができなかった。チャールズ・チェスナットはトウェインと知己であり、どちらも白人による社会改革を主題にした作品を執筆している。(前者は『大佐の夢』、後者は『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』)。ただしその内容は大きく異なる。南北戦争後の社会改革を考察する上で、チェスナットの資料がエルマイラ・カレッジには少なく、チェスナット研究が少々遅れることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Quarry Farm Fellowshipでの研究成果を論文化することを目指す。具体的にはトウェイン作品における人種と階級の交差を考察していく。その際、フレデリック・ダグラスの伝記も参照する。
同時にチャールズ・チェスナットの『大佐の夢』に焦点を当て、人種と階級の交差をを考察する。南部貴族の主人公による社会改革の軌跡を辿り、改革の挫折の原因となった黒人労働者と貧乏白人の軋轢に焦点を当てる。そしてマーク・トウェインの『コネチカット・ヤンキー』の主人公の社会改革との類似点と相違点について考察を深める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、マーク・トウェイン研究者を育成することを目指したQuarry Farm Fellowsに選出されたため、当初予定していた、研究滞在費などの支出がカバーされたからである。またトQuarry Farm Fellowtとしてトウェイン研究を進めることができた一方、チャールズ・チェスナット研究が遅れたためである。それゆえ今年度は、Quarry Farm Fellowshipを得た研究成果を形にする一方、チェスナット研究に予算を費やす予定である。
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