2022 Fiscal Year Research-status Report
Property and Race in Faulkner and Morrison
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20K12974
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
銅堂 恵美子 福岡大学, 人文学部, 准教授 (10760613)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | トニ・モリスン / ウィリアム・フォークナー / アメリカ文学 / 人種 / 所有 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022(令和4)年度は以下のような研究活動を行なった。 1)令和4年10月には、米国のフォークナー研究センター主催の「フォークナー&ウォード会議」にオンライン参加した。アメリカ南部ミシシッピ州出身のウィリアム・フォークナーとジェスミン・ウォードの比較研究をテーマとした本学会では、家族や死、トラウマの表象について、世界各国の研究者が口頭発表を行った。この学会に参加することで、近年の研究動向を含めた新たな知見を得ることができた。 2)National Association of African American Studies&Affiliatesの第30回米国学会で発表した際の原稿を発展させた論文 “Property, Personhood and Ghostly Possession in Toni Morrison’s 'A Mercy'”が令和4年10月に同学会のモノグラフに掲載された。3)『フォークナー』第24号において、フォークナー・ヨクナパトーファ会議の発表原稿に基づく論集『フォークナーと奴隷制度』の書評が掲載された。フォークナーの奴隷制度に纏わる想像力をカラ・ウォーカーやジェスミン・ウォードなどと比較考察する論考を含めた本論集の書評を執筆することによって、フォークナーとモリスンを比較考察する本研究の意義や今後の可能性を再確認する貴重な機会となった。 4)トニ・モリスンの『ジャズ』(1992)に関する論考「<都市生活は街路生活>―『ジャズ』における<シティ>と街路 」が藤野功一編 『都市と連帯―文学的ニューヨークの探究 』(開文社)に収録され、令和5年3月に出版された。 現在はフォークナーの小説の精読を進め、所有と人種というテーマで論文にまとめるための資料収集や文献整理を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、ハイブリッド開催となった米国のフォークナー&ウォード学会に参加し、年度末には、これまで取り組んできた論文を仕上げ、共著本として出版することが出来た。しかしながら、年度途中から休職することとなり、予定していた国内学会の参加や、文献調査のための海外出張を断念せざるを得ず、資料収集や文献整理、精読の作業にも遅れが生じてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度には、以前から取り組んできた論文を完成させ、共著本として出版することができた。しかしながら、年度途中から休職することとなり、予定していた資料収集や精読を中心とした研究計画を遂行することが困難となった。最終年度となる令和5年度には、文献調査と整理を進めながら、フォークナーの小説の精読を進め、論文執筆にとりかかりたい。
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Causes of Carryover |
コロナウイルスの影響に加え、年度途中より休職したこともあり、予定していた国内学会出張や海外出張を実施する事ができなかった。海外出張の際に予定していた文献収集に必要な費用も未使用となったことも次年度使用額が生じた原因である。残額は、資料収集や旅費などに使用する予定である。
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