2021 Fiscal Year Research-status Report
アメリカ文学における不動産表象――家をめぐる情動と欲望
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20K12977
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
高瀬 祐子 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (30708433)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 場所 / 人新世 / 記号論 / 暗号 / エドガー・アラン・ポー / 黄金虫 / 地下資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、①不動産表象から個人主義の実態を明らかにし、家というプライベートな空間を通してアメリカ社会を考察し、意識の転換をはかり新たな批評的視座を提示することと、②文学作品における家及び土地に関する歴史や法律を分析した上で、レトリックとしての使われ方を考察し、その影響や効果を明らかにすることを研究目的としているが、本年度は家という限定的な空間からもう少し空間的な広がりを持たせ、場所に注目して研究を行った。フォークナーの『アブサロム、アブサロム!』(1936) における研究は進めたが、学会発表や論文執筆に至るまでの準備が整わなかったため、来年度以降に持ち越す。代わりに、エドガー・アラン・ポーの「黄金虫」における場所に注目して研究を進めた。舞台となるサリバン島において、宝探しという行為と、場所と暗号の記号的関係に着目し研究を行った。また、宝が地下に埋められていることから、人新世の概念と地下資源というタームに注目し、地中に埋められた宝が、当時富をもたらすものであった地下資源と結びつくことを明らかにし、学会発表と論文執筆を行った。 2年目にワシントンD.C.にある国立建築博物館へ赴き、アメリカにおける家の建築や家庭像の歴史についての調査、及び国立アメリカ・インディアン博物館で強制移住等の歴史について調査と資料収集を行う予定であったが、コロナウイルスの蔓延により勤務校より海外渡航が制限されていたため、これも来年度以降に持ち越した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外渡航が難しい状況が続いているため、研究内容や研究対象は予定通り進んでいない点があるが、研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となるため、継続して作品研究を行いつつ、これまでの研究であまりできていない不動産表象の分析に取りかかりたい。家族、家、不動産の表象については、あまり順調に進められていないため、最終年度には、エドガー・アラン・ポーの作品群あるいは計画通り、フォークナー等の作品から家・家族・不動産表彰に関する研究を進める予定である。今年度も海外渡航が難しい可能性が高いため、その場合は研究期間を1年延長することを検討する。
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Causes of Carryover |
今年度はアメリカへ渡航しての調査を予定していたが、コロナウイルスの蔓延により渡航がかなわなかったため、次年度に計画したい。
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Research Products
(1 results)