2020 Fiscal Year Research-status Report
日英語の自然会話における「聞き手行動」の形式と機能の体系的解明
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20K13007
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
横森 大輔 九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (90723990)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 聞き手行動 / 会話コーパス / 日英対照 / 会話分析 / 相互行為言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
・本研究は、日本語と英語という2言語の会話データを会話分析の手法で分析することで、様々な「聞き手行動」が、それぞれどのような相互行為上の機能を果たしているのか、そしてそれらの機能が用いられている言語形式の特徴をどのように反映しているのか、体系的な記述を行うものである。研究課題1年目であるR2年度は、日英語ともに会話データの整備、ケーススタディの対象となる現象のコレクション作成、一部のケーススタディの成果発表を行った。 ・シンポジウム「ことば・認知・インタラクション8」(6月)にて、応答表現reallyが上昇調で産出された場合と下降調で産出された場合の相互行為上の特徴の相違をテーマとして発表を行った。日本認知科学会第37回大会(9月)にて、楽器レッスン場面における生徒の「はい」と「うん」の相互行為上の特徴の相違をテーマとして発表を行った。日本認知言語学会第21回全国大会(9月)における発表においては、会話に見られる様々な現象の事例を踏まえて構文文法のアプローチについて検討を行う中で、英語での情報伝達発話(informing)に対する聞き手行動の問題に言及した。 ・以上の各発表に基づく原稿執筆を行った。また、分析の途中段階だが、英語会話におけるoh my godや日本人英語学習者が英語会話に参加する際の「んー」とmm-hmの中間的発話について、コレクションを作成し、検討を行った。 ・さらに、分析自体は本科研の開始前に実施したものだが、聞き手行動に関わるテーマの論文を複数出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本語・英語ともにケーススタディを進め、口頭発表の実施に至っている。また、新たなケーススタディに向けた事例収集も順調に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
聞き手行動に関して執筆中の原稿を完成させる。また、英語の応答表現Oh my godの会話における働きについて分析を行い、研究発表と原稿執筆を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の世界的拡大により、海外を含め、予定していた出張の中止やオンライン化により、予算として計上していた旅費を使わなかったため。
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Research Products
(6 results)