2023 Fiscal Year Research-status Report
Selective attention and causal sentence production during language acquisition
Project/Area Number |
20K13015
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
奥野 晶子 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 客員研究員 (70848944)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | こども / 言語発達 / 視線計測 / 注意 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、文章産出課題と視線計測を用いながら、言語が認知プロセスに影響を与えるメカニズム及び、認知が言語に与えるメカニズムの解明を目的とする。その方法として、幼児を対象に、短い出来事を描いた絵を見たとき、どこに注目してどのようにそれを表現するのかを調査する。
コロナ禍を経て多くの調査を実施することは困難となったため、これまで別プロジェクトで自身が取得した感情を表出している人物たちが簡単な動作を行っている絵を見て、母親が乳児に説明している発話データやその時の乳児の視線データに対しても、本研究のための独自の解析を行う。2023年度は母親の発話に対して、絵の中のどの要素に“注意”を向けているのかを調べるため、そのコーディング方法を新たに確立し、データコーディングを行った。今後母親は動作主と被動作主をどのようにエンコードを行うのかといった観点でも解析を進める。そしてこの研究で得たデータやコーディング方法を用いて、幼児はどこに注目し、どのように符号化していくのかを調べるために、次年度は幼児対象にデータを取得して解析をしていく。また乳児の視線データもすでにあるため、幼児との視線データと比較して、注意の向け方についてどのように発達していくのかも今後分析していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
この課題では、人が簡単な動作 (e.g. 鍵を落とす 、ドアの開閉)を行う短いビデオクリップを実験参加者に見てもらう。この出来事を描写してもらった際の文章タイプ、行為者・被行為者の描写頻度などを分析する。それと同時に、文章産出前後に、行為者・被行為者への注視時間や、注視回数と順序を調べること当初想定していた。
しかし、コロナ禍を経て、当初予定していた調査数を行うことは困難であったため、別プロジェクトで自身が取得した母子会話データに対して、どこに注意を向けているのかを解析するために新たなコーディング方法確立した。この方法では発話を解析しながら、何について参照しているのか、発話の回数や順序を詳しく見ることが可能である。今後は幼児の発話データと眼球運動データを取得し、絵のどこに注目し、どのように符号化していくのか、動作主と被動作主をどのようにエンコードを行うのかといった観点でも解析する。また乳児の視線データもすでにあるため、幼児との視線データと比較して、注意の向け方についてどのように発達していくのかも分析していく。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍を経て、当初予定していた調査数を行うことは困難であると考えられるため、別プロジェクトで自身が取得した子母親の発話データに対しても、行為者・被行為者が描かれている絵を見てもらった時に、どこに注意を向けて、どのような文章タイプを用いているか、または行為者・被行為者の描写頻度などを分析する。また同じ刺激を用いて、幼児に対しても同様の調査を行い、自身で確立したコーディング方法を取り入れながら、幼児に対して同じ手法で実験を行い、解析していくことも検討している。また、また乳児の視線データもすでにあるため、幼児との視線データと比較して、注意の向け方についてどのように発達していくのかも今後分析していく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍を経て研究計画に遅れや変更が生じたため、謝金に関する費用が未使用であったため、次年度の使用額が生じた。 次年度では、調査にご参加くださる参加者の方々への謝金支払いやプロジェクト成果を国内外の学会参加し発表することを予定している。
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