2020 Fiscal Year Research-status Report
Neo-Davidsonian Event Semantics and Elimination of the Argument Structure
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20K13017
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
嶋村 貢志 立命館大学, スポーツ健康科学部, 講師 (00755689)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 事象意味論と項構造の廃止 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は概ね研究は予定通り進んだ。しかし予定したより発表の機会を得ることはなく、新型ウィルスの影響により予定していた学会が中止になったり、研究会が延期になったりした。それでも国内学会、国際学会それぞれ1回ずつ発表することができた。本研究は2020年に刊行された論文を基にして始まったため、2020年度はそこで提案されている分析・理論の補助理論の精緻化に努めた。特に2020年度に予定していた格付与に関するメカニズムに関する研究は他大学の研究者の協力もあり、かなり進んだ。現在のところその研究者と本研究の一部を共著論文にしようということでドラフトを執筆している。ただし、授業のオンライン化などに対応するなど様々な研究とは関係がない雑務のせいで、共著論文の執筆はそれほど進んでいない。2021年度の完成を目指し、国際的なジャーナルに投稿することを目指している。
個別の成果としては、上述のように2件学会発表をした。日本言語学会で一件の発表をし、それを学会のプロシーディングスで発表した。また9月にオンラインで行われたJapanese/Korean Lingustics 28で発表し、その論文を提出した。刊行時期は未定であるが、論文の採択が決定している。また本研究と関連した論文を現在海外ジャーナルに投稿中で修正再査読中であるが、その研究も本研究テーマと関連させて進めた。さらに別の研究で論文の投稿の招待を受けたため、それの執筆も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に大きく遅れているわけではないが、新型ウィルスの影響による研究会・学会などの参加の中止によりそこで得られるであろうフィードバックは得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように他大学の研究者の協力をもって本研究の一部をあつかう論文の執筆を行う。また現在もいくつかの学会・論文に投稿中であり、それらが採択されれば、それらの論文も含めて、より大きな、通言語的・理論的に包括的な研究となるよう努めていく。具体的には本研究とは別で研究中のトピックである命題項の態度動詞からの切り離しに関して、現在論文を投稿・再々査読中である。この研究は昨今の Kratzer (2006) の研究に端を発するいわゆる Hinttika 流の intensionality の分析とは違い、英語の場合は that 接続詞などの態度動詞以外の要素に可能世界の意味論を帰属させる枠組みである。これらの主張に従い、投稿した論文は日本語においてもの intensionality の態度動詞からの切り離しは可能であり、当該言語では非顕在的な機能的範疇にその意味が帰属させられると主張している。これは本研究の研究課題である項構造の廃止の一例に他ならず、本研究の成果と合わせて書籍化を目指すなど、より大きな成果を目指して研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
出張費として計上していたものが新型ウイルスの影響で使えなかったので令和3年度に出張費などに使う予定である。
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