2023 Fiscal Year Research-status Report
Neo-Davidsonian Event Semantics and Elimination of the Argument Structure
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20K13017
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Research Institution | Kanazawa Gakuin University |
Principal Investigator |
嶋村 貢志 金沢学院大学, 基礎教育機構, 講師 (00755689)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 統語論 / 意味論 / event semantics / Argument Structure / Case |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日本語の格助詞の意味論を考察するところから始まった。具体的には格助詞は個体を取り事象の集合を返す関数であると提案し、日本語の項構造の廃止、またそれに伴うかき混ぜ操作による自由語順の廃止を提案した。これまでの成果を国際学会に投稿し、その論文が刊行予定である。また名古屋大学の田中秀治氏を共同研究者に迎え、当初予定していた以上の現象をカバーできる状況になってきた。現在のところ2024年度に国際学会での発表が1件が決まっている。具体的には日本語をはじめとする膠着型の格を持つ言語では主語や目的語の省略ができるが、これまで先行研究では目に見えない代名詞proが想定されていた。しかし本研究の提案が正しければ、日本語にproを想定しなくとも当該の現象を説明することができる。よって、理論的によりインパクトが大きい研究成果が期待でき、現在論文雑誌に投稿すべく、田中氏と論文の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進んでいる。現在はMIT Working Papers in Linguistics からの論文の出版が決まっている。また2024年の8月に国際学会で発表が1件採択されている。以上の理由から、研究が当初の計画通り進行していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度には、これまでの研究発表の内容を論文にまとめる作業を進めるとともに、項削除など他の現象にも注意を払いながら、本研究の提案を発展させていく。8月に発表する内容へのフィードバックに基づき、分析を発展・深化させることを目指す。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により学会がオンラインになり旅費がうまく使えておらず、差額が生じた。今年度は国際学会に参加していく。
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