2022 Fiscal Year Research-status Report
消滅の危機に瀕した八重山諸方言の談話資料データベース構築とそれに基づく研究
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20K13051
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
原田 走一郎 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (00796427)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 危機方言 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の成果としては、1.八重山語黒島方言の文法概説の執筆と2.談話資料の録音および文字起こしがあげられる。 1.八重山語黒島方言の文法概説の執筆については、本科研費プロジェクトのフィールドワークで得られた資料をこれまでに得られていた資料に加えることで、より詳細な文法概説をしあげることができた。具体的には昨年度得られた目的語に関する知見を組み込むことができ、このことがより黒島方言の八重山語のなかでの特徴を際立たせることになった。この文法概説については今後印刷される予定である。また、黒島方言に特異な形容詞のパラダイムについても形態的な記述を行い、より幅広い位置づけを行った。この成果は出版の遅れにより、次年度に公表される見込みである。 2.談話資料の録音および文字起こしについては、黒島方言話者から40分程度の自然談話を得ることができた。これは本科研費プロジェクトでこれまでに撮りためていた黒島の自然と文化に関する映像を刺激にすることで得られたため、本科研費プロジェクトの狙いどおりにいったと言える。一方、当初、こちらでセリフを用意してそれを黒島方言に直訳してもらう方法を考えていたが、映像刺激だけで自由に黒島方言で話すことが可能であったため、それを収録することにした。したがって、公開までには、新たな映像の録画、音声と映像の編集が必要になる。そのため、こちらが想定していたよりは公開が遅れる見込みである。しかし、より自然な談話が得られたことは成果である。ただし文字起こしの途中で不明な点なども出てきており、その点は今後処理しなければならない。一方、この談話のなかで連体修飾節中に焦点助詞duが生起しているように思われる例があり、これについては母語話者への確認が必要であるが、今後も注目していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症のためにフィールドワークをほとんど行えなかったことが原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は黒島方言の談話資料作成に焦点を絞りその公開を目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の蔓延によりフィールドワークがほとんど行えなかったためである。今後は黒島方言の談話資料作成に焦点を絞りその公開を目指す。これまでに撮影していた映像については撮り直しが必要になったため、その委託費が当初の想定よりかかる見込みである。
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