2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K13059
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Research Institution | Fukuoka Women's Junior College |
Principal Investigator |
村山 実和子 福岡女子短期大学, その他部局等, 講師 (50783586)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 形容詞 / 語形成 / 語構成 / 派生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、形容詞の語形成の歴史において、古代から近代への転換期に大きな変化があったという予測のもと、その実態の解明をめざすものである。特に、以下のA~Dのように、形容詞を素材として二次的な形容詞を造語する形式(またそれに準ずるもの)に注目し、考察を進めている。 (A)「形容詞語幹+形容詞化接尾辞」型の派生形容詞(B)「形容詞由来の接頭辞+形容詞」型の派生形容詞(C)「形容詞+形容詞」型の複合形容詞(D)形容詞同士の連接
今年度は、研究計画に基づき、(C)と(D)との比較を行った。特に、(D)に焦点を当てたものとして、国立国語研究所が公開しているデータベース『日本語歴史コーパス』を利用し、歴史資料に出現する形容詞の連接(「細く(て)長い」のような例)について、時代ごとの傾向を調査したものの論文化を行った(次年度刊行予定)。 また、(A)に関しても、形容詞の語形成史において、中世~近世にかけて形容詞を素材とした二次的な派生が多様に見られることについて報告を行った(「形容詞の語形成史 ―中世・近世を中心に―」、2021年度 九州大学国語国文学会)。同内容については、次年度中に論文化する予定で、継続して調査・分析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、本務の都合などから、研究時間の確保が困難な状況であった。上記のとおり、論文執筆を進められた部分もあるが、公表は次年度以降となる見込みであり、データ収集・分析作業は当初の予定より遅れている。次年度の論文公表のための準備を進められたとも考えられるが、全体的に見て「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
用例調査に関しては、文献調査だけではなく、研究分担者・共同研究者として関わっている他プロジェクトのデータベースも活用していく。また、研究計画に含めていた方言調査については、文献調査のほか、方言研究者との情報交換を行うこととする。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の継続により、旅費や人件費で予定していた額を十分に活用することができなかった。次年度は、協力者の早期確保・文献や機材の充実など、計画的に進めることとしたい。
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Research Products
(2 results)