2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a teacher training model to support the construction of hybrid identities of heritage language learners
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20K13073
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
瀬尾 悠希子 茨城大学, 全学教育機構, 助教 (40820676)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 継承語教育 / 補習授業校 / 教師教育 / ライフストーリー / ナラティブ / リソース / 語り合い |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、2021年度に着手できなかった以下2点を行うことができた。 (1)教師研修で収集したデータの分析および追加データの収集・分析:2021年度前半に、継承語学校および補習授業校教師を対象としたワークショップを実施し、データを収集した。また、研修参加者にインタビューを行い、追加のデータも収集した。インタビューでは、研修に対する振り返りや研修後の教育実践などについて聞き取った。データの分析結果から、学習者の混淆的アイデンティティ構築を支える教育を行ううえでの難しさと教師研修の有用性が見えてきた。論文1本が公開されるとともに、2023年度に行われる国際学会での口頭発表が採択された。 (2)リソースの充実と公開:ストーリーの語り手の年齢や居住地域を広げ、新たに6名のライフストーリーを聞き取り、うち4名のストーリーを作成した。ウェブサイトを公開し、昨年度までに作成したものと合わせて合計10本のストーリーを掲載した。日本語教育学会国際連携委員会が主催した「世界中の日本語教育関係者のためのオンライン交流会」で、成果発表を行い、参加者からフィードバックを得た。また、残り2名のストーリーを作成中である。 さらに、教師の語りを研究することや、教師にとっての語りの意味などについて執筆・話題提供を行い、考えていることの発信および他の研究者との意見交換ができた。これらは、より効果的な教師研修の在り方を考察するうえで有用であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度の計画であった、(1)教師研修で得られたデータの分析、(2)インタビューによる追加のデータ収集、(3)リソース作成のためのライフストーリーの収集、(4)ライフストーリーのリソース化と公開をすべて行うことができた。また、これらの成果報告を開始できたことから「当初の計画以上に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度はデータ分析および考察をさらに進め、継承日本語学習者の混淆的アイデンティティ構築を支えられる教師を育成するための効果的な研修について提案を示すことを目指す。2022年度に得られたフィードバックを踏まえてリソースとして使用できるウェブサイトの改善を行い、リソースのより有効な活用方法も探っていく。また、論文執筆やワークショップの開催等を通じ、成果の発信を積極的に行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス流行のため対面での研究会・学会参加がなく、旅費が不要であったため。2023年度は対面での研究会・学会参加のための旅費として使用する計画である。
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