2023 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業で働く外国人社員のビジネス日本語力に関する縦断的調査
Project/Area Number |
20K13081
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
鈴木 綾乃 横浜市立大学, グローバル都市協力研究センター, 准教授 (40812566)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ビジネス日本語 / 日本語教育 / 外国籍社員 / 外国人材 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、2022年度に行った本調査について論文投稿・学会発表を行った。調査は、日本の某物流企業で働く外国籍社員と、その外国籍社員と一緒に働く上司・同僚に対して、同じ調査票を用いて、(1)業務に必要な日本語、(2)ビジネス日本語能力についてどのように捉えているか、アンケート調査を行ったものである。分析では、外国籍社員と上司・同僚の回答を比較した。 まず(1)については、分析の結果、外国籍社員よりも上司・同僚のほうが日本語が必要な業務を幅広く捉えており、外国籍社員が今その業務をしておらず日本語が必要ない、と考えていても、上司・同僚は任せたいと考えていることが示唆された。以上について「BJジャーナル」第7号に投稿し、採択された。 次に(2)については、指示やアドバイスを理解して実行することについては自己評価と他者評価が一致していた一方、敬語に関わる項目では他者評価が自己評価を上回っていた。このことから、上司・同僚から見ると問題なく業務を行えているように見えていても、外国籍社員自身は自信を持って行えていない可能性が示唆された。以上について、2023年12月の人材育成学会第21回年次大会にて口頭発表を行った。 研究期間全体を通じて、日本企業で働く外国籍社員がどのような業務を担当しており、そこで日本語が必要かどうか、必要なら現時点でどの程度できるかを、アンケートとそれに基づくインタビューによって調査した。協力が得られたIT企業1社と物流企業1社で、外国籍社員および当該外国籍社員と一緒に働く上司・同僚を対象に行った。以上の調査・分析によって、担当する業務によって日本語の必要度や必要とする場面が異なること、上司・同僚は幅広い業務を外国籍社員に任せたいと考えている一方実際に任される業務は限られており、その結果、外国籍社員は日本語がそれほど必要ないと考えている場合もあることが明らかになった。
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