2020 Fiscal Year Research-status Report
長期的な活動運営を目指した日本語多読活動支援者マニュアルの開発
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20K13084
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Research Institution | Kanda University of International Studies |
Principal Investigator |
高橋 亘 神田外語大学, 留学生別科, 講師 (60823193)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 日本語多読 / 多読活動支援者 / 日本語教育 / 長期的な活動支援 / マニュアル / 自律的教室外多読 / 日本語多読の4つのルール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年発展の目覚ましい日本語多読活動における支援者の長期的な成長を分析し、活動をより円滑に、効果的にかつ長期的な活動運営を行うための支援者用マニュアルを開発するものである。日本語多読活動支援者がどのように活動を通して成長していくかを縦断的調査から明らかにし、多読活動支援者が注意すべき事項、そして長期的に活動運営を行っていく上での支援方法を提言する。また、以上の分析結果をもとに、支援者による長期的な活動運営を目指し、より効果的な日本語多読活動支援者マニュアルを開発する。 これらを踏まえ、本研究では、以下の3点を目的とした。1点目に縦断的調査から日本語多読活動支援者としての意識の変化を明らかにすることである。2点目に日本語多読活動支援者は活動を通じ、支援者としてどのような成長が見られるのかを明らかにすることである。最後に、長期的な活動支援という視点を取り入れた、日本語多読活動支援者用マニュアルを開発することである。 以上の目的を達成するため、令和2年度は以下のことを実施した。①日本語多読や第二言語における多読に関する先行研究および質的研究に関する文献を読み込み、理論的背景に対する理解を深めた。②支援者に対する調査・分析方法の精緻化を行った。③日本語多読支援に関するウェブマガジン連載の執筆、取りまとめを行い、ウェブ上に公開した。④以前から実施している日本語学習者の多読継続に関するインタビュー調査を行った。コロナ禍の多読実施状況を聞き取り、支援者に対する示唆を探った。⑤学習者による自律的な多読継続の実態について学会発表を行った。また、対面授業とオンライン授業の両者における多読支援事例について、共同発表を行った。 今後は、支援者向け調査を進め、調査方法の精緻化を行うとともに、本調査を開始する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本語多読や第二言語における多読に関する先行研究および質的研究に関する文献を読み込み、それぞれの理論的背景に対する理解を深めることができた。しかし、コロナ禍により日本語多読支援現場が大きく変化せざるを得ない状況に置かれ、計画していた調査・分析方法の見直しが求められた。次年度は、パイロット調査を実施し、より良い方法を模索した上で、本調査を開始する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究の目的を達成するため、以下の点を実施する。 まず、①日本語多読や第二言語における多読や質的研究方法に関する文献を引き続き収集し、読み込みを行う。そして、②コロナ禍で生まれたオンラインによる多読支援という視点を取り入れ、パイロット調査を行い、調査・分析方法、調査項目の精緻化を行う。その上で③本調査を開始し、縦断的に調査を実施する。④得られたデータを分析し、日本語多読活動支援者としての意識の変化や成長を明らかにする。以上の成果を踏まえ、⑤研究成果の発表、および学会誌への投稿を行うとともに、⑥長期的な活動支援という視点を加えた日本語多読活動支援者向けマニュアルの開発を行う。
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Causes of Carryover |
今年度から本格的に開始する支援者へのインタビュー調査・分析を行うため、調査対象者への謝礼や調査データの文字起こし費用に使用する予定である。 また、コロナ禍の影響により、以前から実施していた日本語学習者の多読継続に関する追跡調査、そして、国内海外で実践する多読支援者に対する調査のための出張が中止されてしまった。 そのため、世界的なコロナ禍の状況を鑑みた上で、調査対象者への謝礼や出張費用に充当する予定である。しかし、コロナ禍の収束状況如何によっては、引き続きオンラインで調査対象者とやり取りを行いながら、調査研究を進めていく必要がある。そのため、研究課題を円滑に達成できるようオンライン機材の購入費に充てる予定である。
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Remarks |
ウェブマガジン連載の執筆、取りまとめを実施した。
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