2022 Fiscal Year Research-status Report
An Analysis of Distance and Direct Discourse: Differences in Speaker-Specific Information and Communication Process
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20K13086
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
吉田 睦 国際基督教大学, 教養学部, 特任講師 (30835525)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 遠隔 / オンライン / 会話 / 話者関係 / 縦断的会話 / 情報の共有 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、遠隔会話における縦断的な話者関係構築に焦点を当て、国内大学に所属する日本語母語話者を対象に遠隔会話調査を行った。調査では、二者間会話・多者間会話を設定し、約半年間、初対面の関係から既知の間柄に至るまでの話者関係構築の過程を分析した。調査では、同じ調査協力者同士を対象に計3回の会話を間隔をあけ実施し、縦断的資料として記録した。資料より、話者の情報共有、また情報差に関わる発話の変化を分析し、話者同士が情報を段階的に共有し、既有知識として次の話題に移行していく様子を観察した。また各会話終了後に自由記述によるアンケート調査を実施し、調査協力者自身による内省を記録した。これにより話者自身の会話に対する捉え方やオンラインコミュニケーションの課題を確認することができた。 また国内調査と同様の方法で、海外の大学で学ぶ日本語学習者と国内の大学に所属する日本語母語話者との遠隔会話調査も行い、国内外の離れた地点から接続する会話における話者関係構築について分析した。調査は全て日本語で実施し、海外大学の学期内に、計3回の継続的なコミュニケーションを行った。この海外調査は、コロナ禍の状況で学ぶ国内・海外の調査協力者自身にとっても有意義な機会となり、物理的距離や時差のあるコミュニケーションにおいても、共有経験や共有知識を探索しながら会話が進行する様子が確認された。 以上より、2022年度は会話条件の異なる国内・国外の両調査を通して、縦断的コミュニケーションの特徴を観察・分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遠隔会話の縦断的調査に焦点を当て、国内母語話者同士の会話、また同調査協力者を中心とした海外日本語学習者との会話を実施した。それぞれの会話条件の分析、両調査の比較、考察に取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度として資料の分析を行い、研究成果報告を行う予定である。特に、調査の実施時期が社会的な対面移行期と重なっていることから、調査協力者の置かれた状況や内省面にも着目し、質的な分析も行っていきたい。
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Causes of Carryover |
渡航制限等から成果報告等に関する移動を翌年度に見送ったため。 次年度使用額は、翌年度予定している成果発表に関わる移動費や、必要に応じた追加調査に使用予定である。
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