2023 Fiscal Year Research-status Report
The effect of text revision on L2 Japanese readers' reading process
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20K13087
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Research Institution | Kanda University of International Studies |
Principal Investigator |
和氣 圭子 神田外語大学, 留学生別科, 講師 (00823816)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 書き換え文 / 読解過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度末に実施した調査データの分析を進めている。収集したデータは、1)日本語習熟度テスト、2)2つの文章の読解中の思考発話の録音データ(L1英語)、3)読解後の筆記再生データ(L1英語)、4)読解後の多肢選択理解問題の解答(L2日本語で実施)、5)文章材料についてのアンケート、である。 このうち、1)と4)のテスト解答については採点・集計を終えている。2)の思考発話データは文字化書き起こしを進行中で、3) の筆記再生データについては、命題分析を行い、調査材料の文章と照合して、協力者別に再生率を算出する作業を進めている。5)の材料アンケートは、後の全体分析において、データの妥当性を検証するために用いる予定である。 また、当該年度、新たな調査を実施することはできなかった。本研究の協力者は、母語背景、習熟度と学習環境の影響を抑えるため、研究代表者の担当する語学科目に在籍する英語母語の中級日本語学習者に限定している。しかし、研究実施者が任期満了に伴い所属大学を移ったことにより、担当授業のための業務と部署業務が増大し、令和5年度の前期は研究に割く時間を確保することが困難であった。また、現在の所属先には調査協力者(英語母語の中上級レベル日本語学習者)がほぼ在籍しない。令和5年度は前後期とも協力者が得られず、何らかの方法で学外で協力者を募る必要があると判明した。このため研究期間の延長を申請し、認められたので、翌年度に調査を実施する予定でいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和2年度から4年度にかけては、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、調査協力者である留学生の来日が激減し、ごく少数の調査データしか得られなかった。また、令和5年度には所属大学を移したことに伴い業務が増大し、かつ、現在の所属先に協力者になり得る学生がほぼ在籍していなかったため、予定通りに調査を進めることが困難な状況だった。
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Strategy for Future Research Activity |
収集済みのデータについては分析を進め、思考発話データの書き起こしは、まずネイティブチェックを経て、ストラテジー分析を行う予定である。そして、原文と書き換え文とでストラテジーの差異を調べ、読み手の読解過程における処理の違いを検証する。また、筆記再生データによる再生率とも照合し、読解過程と読後の理解の関連を検証する予定である。 また、さらに調査データを収集していきたい。現在の所属先には調査協力者(英語母語の中上級レベル日本語学習者)がほぼ在籍しない。令和5年度には前後期とも協力者が得られず、何らかの方法で学外で協力者を募る必要があると判明した。このため研究期間の延長を申請し、認められたので、翌年度に調査を実施する予定でいる。協力者は、他大学または日本語学校など他機関に在籍する日本語学習者から募る予定である。2024年度前期の期間に協力者募集の方策を練り、夏期休業(授業なし)期間に調査を実施したい。そして、後期には調査データの分析を進め、結果を出したいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、協力者に対する対面調査が実施できない状況が続き、当初の計画よりも2年半遅れて調査を開始した。令和5年度には調査を実施する予定だったが、所属大学の変更による業務の増大と、機関内で調査協力者が得られないという理由により、調査が停滞した。 次年度使用額は、データ提供者(調査協力者)への謝金、データ分析協力者への謝金、データ管理と分析に用いるPCの購入、先行研究の参照とデータ分析のための関連書籍・資料の購入に充当する予定である。
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