2020 Fiscal Year Research-status Report
Argument construction of Japanese university students in academic essay writing
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20K13091
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
嶼田 大海 青山学院大学, アカデミックライティングセンター, 助手 (10780140)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アカデミックライティング / 意見構築 / レポート作成 / 大学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は新規のデータ収集が実施できなかったため、主に文献調査を通して研究の理論的・分析的枠組みを固めることを研究活動の目標とした。具体的には、先行研究を踏まえて次の枠組みを整理した。大学生のレポートライティングにおける意見構築に関わる先行研究には大きく、引用に関する研究、また間テクスト性(Intertextuality)に関する研究領域がある。前者は文章における引用部の位置づけ、及び機能に関する研究である。また、後者の「間テクスト性」は二つ以上のテクスト間の関係性を示した概念であり、書かれた内容と他のテクストとの関係に着目した研究である。両者は主に既に書かれた文章を分析対象とした研究であり、書き手が文章を書く過程においてどのように外部情報を用いているのかについての議論は少ない。さらに近年、大学教育におけるパーソナルライティングが注目され、アカデミックライティングにおける書き手の内発的な情報(記憶や体験)の重要性が示唆されている。本研究はこれらの点を踏まえ、学生が学術的文章を書く過程において、どのように外部、及び内部情報を活用して意見構築を行っているのかを通時的に調査するものである。今年度は左記の理論的・分析的枠組みを詳細に整理することで、本研究の重要性と研究結果の意義を強化するための文献調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス(COVID-19)蔓延の影響により今年度に予定していた調査(協力者への文章作成、及び日記作成の依頼と2回の対面インタビュー)が実施できなかった。対面でのデータ収集を前提とした調査デザインとなっていたことが一つの大きな原因である。このため年度初頭の4~5月(大学のオンライン対応への移行期)に、同時期に計画していた協力者の募集がかけられず研究進捗に大きな遅れをきたしてしまった。また、調査者が今年度後半に研究機関を移動した事情もあり、計画的(継続的)なデータ収集の見通しが立てづらい状況が生じた点も調査の遅れにつながってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス(COVID-19)の影響が今後も当面続くことを考慮し、調査を全面的にオンラインに切り替えた上で協力者の募集と調査の実施を行うことを予定している。当初は文章作成課題の前後にそれぞれ1回ずつ計2回の対面インタビューを実施する計画であったが、これらをそれぞれオンラインのインタビューに切り替えて実施する。一連の調査をオンラインで実施することで協力者の募集、及びデータ収集が(対面を含む調査形態に比べて)迅速かつ効率的に進むことが期待される。
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Causes of Carryover |
新規のデータ収集が実施できなかったため当初予算に入れていた協力者への謝金、及びインタビューの文字起こし費用を支出することができなかった。また、今年度は主に文献調査を行ったが、これに掛かる図書(論文)購入費についても、所属研究機関から割当てられた研究費を優先して充当したため直接経費に計上できなかった。 次年度使用額(繰越分)は、次年度以降、調査形態を全面的にオンラインに切り替えることで新規協力者を早急に募り、調査を実施していくことで謝金、インタビュー文字起こし費用として使用する計画である。
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