2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of Japanese Educational Grammar Books for Sinhala Native Speakers Aiming for Efficient Learning and Mutual Cultural Understanding
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20K13095
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Research Institution | Yasuda Women's University |
Principal Investigator |
宮岸 哲也 安田女子大学, 文学部, 准教授 (30289269)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 日本語教育文法 / 対照研究 / 習得研究 / シンハラ語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はスリランカのシンハラ語母語話者を対象にした日本語教育文法書を作成し、日本とスリランカの両国で増加しているシンハラ語を母語とする日本語学習者、及び彼らを指導する日本語教師への便宜を図ることである。 研究の初年度は、計画通りに本研究の基礎となるデータベースを作成した。具体的には、①シンハラ語母語話者を対象に作成された初級用日本語文法書・教科書41編、②日本語とシンハラ語の対照研究論文57編、③シンハラ語母語話者93名による日本語作文の電子ファイル化、④シンハラ語母語話者20人の日本語発話の音声データ・ベース化を行った。 これらのデータ・ベースを研究メンバー6人で共有し、8月と12月の2回オンラインで研究会を行った。発表会では「日本語とシンハラ語の授受表現の対照」「シンハラ語母語話者の日本語授受表現の習得過程と指導について」「作文コーパス予備調査―動詞文について」「シンハラ語の非能動複合動詞」「作文コーパスに見られる助詞の誤用」「日本語とシンハラ語の発音に関する考察」の6テーマの研究発表があり、メンバー間で議論を行った。これらから得られた対照研究と習得研究の知見は、従来のシンハラ語母語話者対象の日本語教材では説明されていないものが含まれており、本研究で作成する文法書の重要な記述の一部として用いる予定である。更に、本研究で作成する日本語文法書の土台になるよう、初級レベルの日本語文法項目を網羅したものを纏めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は新型コロナウィルス感染拡大の影響で、計画していたスリランカでの調査を全て中止せざるをえず、結果として、計画していたシンハラ語母語話者日本語教師の日本語指導に関する調査・研究を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの感染状況にもよるが、当面は研究メンバー間でのオンライン会議を継続し、日本語とシンハラ語の対照研究、及びシンハラ語母語話者の日本語学習の習得研究に関する研究発表を行う予定である。そして、今年度の後半において、新型コロナウィルスの感染が国際的な収束に向えば、スリランカでのシンハラ語母語話者日本語教師の指導に関する調査を行いたいと考えている。また、感染状況に改善が見られないようであれば、スリランカの日本語教師とのオンライン会議実施も検討したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大で、国内での会議を全てオンラインで行ったため、またスリランカでの調査の行うための海外出張も中止せざるを得なかったため、研究費を使う機会がなかった。次年度では、感染拡大の収束を待ち、国内での対面による会議と海外での調査を実施したいと考えている。
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