2021 Fiscal Year Research-status Report
個人の学習文脈から捉える英語学習における動機づけの変化とそのプロセス
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20K13100
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| Research Institution | Otaru University of Commerce |
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Principal Investigator |
三ツ木 真実 小樽商科大学, 言語センター, 准教授 (80782458)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 英語学習の動機づけ / 個人の学習文脈 / 動機づけ変化のプロセス |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、新たな研究参加者1名を対象にインタビューに基づく質的分析を実施した。これにより、(1) 動機づけ変化プロセスの可視化と（2) 動機づけ変化に影響を与えた社会的・心理的要因の明確化 の2つの焦点を当てて分析を行った。具体的には、PAC分析を用いたデータ収集と分析を実施し、印象的な過去の学習経験及び学習者固有の特定の文脈における英語学習（言語交換アプリを使用した英語学習）経験を抽出した。合わせて、学習経験と動機づけとの関連を自己のストーリーとして時系列で学習者に語ってもらうことで分析を試みた。結果として、参加者の動機づけは言語交換アプリによる学習を機に動機づけが大きく向上していた。特に内発的動機づけの向上と理想 L2 自己の発生・保持に参加者の言語交換パートナーが影響を与えていたことが明らかとなった。この点に深く関わる社会的要因として、(1) 自分に言語交換パートナーがいること、(2)言語交換パートナーとともに学び合う学習環境、(3) 言語交換パートナーとのインタラクションの蓄積の3点が浮上し、これらが内発的動機づけの向上にポジティブな影響を与えていたことが明らかとなった。さらには、(1) 外国人と英語でコミュニケーションできる新しい自己イメージ、及び (2) 学習の継続にはリスペクトできる言語交換パートナーの存在が不可欠、という2つの新たな価値観・ビリーフが出現しており、これらが心理的要因として参加者の理想L2自己の発生と保持に関連していることも明らかとなった。以上のことは、教室外の学習者固有の英語学習文脈においても、他者（ともに学ぶ存在）が学習動機のポジティブな変容における重要なファクターとなる可能性を示唆するものである。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インタビューを実施できた人数は予定より少ないものの、１名の参加者への半構造化インタビューを実施し、PAC分析による質的アプローチにもとづく分析に必要な手続きを一通り実施することができた。また、1名を対象とした分析でもある程度のデータ量となり、分析の結果を学会で発表することも出来た。この成果を論文にまとめるための準備も進めており、予定通りの進捗となっているため、概ね順調に進展している。
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| Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、これまでの研究参加者２名に対する分析を「動機づけ変化プロセスの可視化」と「動機づけの変化に影響を与えた社会的・心理的要因の明確化」の観点からさらに進める予定である。特に、これらの要因と参加者との相互作用を考慮しながら、動機づけの変化を促進または阻害する要因について質的な観点から分析を行う。また、これらの研究成果を論文にまとめ国内または海外のジャーナルへの投稿を目指す。
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| Causes of Carryover |
予定していた海外や国内への出張がコロナ禍の影響で全てキャンセルになったため。
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