2021 Fiscal Year Research-status Report
英語の動詞-名詞コロケーションの誤り修正に対するコーパス参照の効果検証
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20K13109
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
佐竹 由帆 青山学院大学, 経済学部, 准教授 (90754648)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | DDL / データ駆動型学習 / エラー・コレクション / コロケーション / L2 ライティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はデータ駆動型学習(DDL)の動詞-名詞コロケーション学習に対する効果を検証した。19名の英語中級-中上級の大学生が、ワークシートに書かれた不自然な動詞-名詞コロケーションをCorpus of Contemporary American English (COCA)を参照して修正し次週に説明フィードバックを受ける学習を10週間行った結果、参加者の事後テストの点数は事前テストより有意に向上した。 事前テストの平均点は19点満点中5. 9点,事後テストの平均点は9.0点で事後テストの方が高く、有意差あり効果量大という結果となった。問題別に見ると、事後テストで点数が向上したのが19問中15問、同点が3問、低下したのが1問で過半数で向上が見られた。ゆえに修正タスクは動詞‐名詞コロケーションを記憶する上で有効で、全体的に事後テストでの点数の上昇傾向が見られたと言える。 また、修正タスクに加えて模範解答を提示して説明する明示的フィードバックも事後テストの点数向上に影響したと考えられる。本研究では対照群がないため修正タスクとフィードバックそれぞれの影響の度合いについては検証することができないが、タスク翌週の1-2分の解答提示と説明のみで大きな学習効果があるとは考えにくいため,修正タスクとフィードバックが相互作用して事後テストの点数向上につながったのではないだろうか。この点については対照群のある調査を今後行うことで解明したい。 以上のことから、動詞‐名詞コロケーションをコーパスを参照して修正するタスクはコロケーションを記憶する上で有効であり、修正タスクとフィードバックの両者が寄与していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度はほぼ対面授業に戻ったため、予定していたデータ収集を春・秋学期とも実施することができた。データの分析も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
動詞-名詞コロケーションを習得する上でコーパスを参照する修正タスクと明示的説明フィードバックがどのように影響するかについて、またコーパス参照が言語学習に寄与するメカニズムについて明らかにするために、動詞・名詞コロケーションの難易度や条件を変えてデータ駆動型学習(Data-driven Learning: DDL)の効果を検証したい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で発表予定の国際・国内学会がすべてオンラインになり、出張費がかからなかったため次年度使用額が生じた。今年度も発表予定の国際学会は二つともオンラインになり申請時に予定していた出張費はかからないが、最終年度で研究成果をまとめて公表する時期であるため、英語論文の英文校正のために使用したいと考えている。また、先行文献の調査を綿密に行って当該分野の知識を深め、論文における先行文献に関する論説の質を高めるために、図書・雑誌論文の購入費用としても使用する計画である。
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