2022 Fiscal Year Research-status Report
英語の動詞-名詞コロケーションの誤り修正に対するコーパス参照の効果検証
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20K13109
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
佐竹 由帆 青山学院大学, 経済学部, 准教授 (90754648)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | データ駆動型学習 / DDL / 英語教育 / コロケーション / コーパス / L2 ライティング / オンデマンド / 遠隔学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではデータ駆動型学習(DDL)の動詞-名詞コロケーション学習に対する効果を検証した。 昨年までの研究で、学習者がコーパスを参照しながら学習するデータ駆動型学習(DDL)が動詞-名詞連語の記憶に有効であることが示唆された。そこで今回は、英作文における動詞-名詞コロケーションの産出にDDLがどのような影響を及ぼすかを検証した。対象者は、中級から上級の英語学習者である日本の大学1年生19名である。彼らは週1回、9週間にわたってWordbanks Onlineのコーパスで用例を検索し、2つの動詞-名詞のコロケーションを学習した。結果は動詞名詞コロケーションに対しDDLは未知語の記憶、既知語の産出を促進することを示唆した。 また、オンデマンド型オンライン遠隔学習における動詞-名詞コロケーション学習に対するDDLの有効性についても検証した。参加者は大学生の英語中級学習者49名である。実験グループは、事前テストと事後・遅延事後テストの間にDDLのアプローチで動詞-名詞コロケーション修正タスクに取り組んだ25名の学生で、対照群はテストのみを受けた24名の学生であった。結果は、動詞-名詞コロケーションの暗記には、コンコーダンスラインのスクリーンショットを参照するオンデマンド・オンラインDDLが、学習者が自分でコーパスを検索する従来のオンキャンパスでのDDLと同等の効果があることを示唆した。 様々な教授法が模索される中、DDLはL2教育へのアプローチとして有効な選択肢であると言えるだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
DDLのコロケーション学習に対する効果検証を進めるうちに、既知語・未知語や遠隔授業における使用など、当初考慮に入れていなかった様々な変数が学習効果に影響し得ることがわかった。また、DDLにおける何がどのように動詞-名詞コロケーションの学習を促進するかについて、未だ決定的な解を得るに至っていない。以上のことから、本研究の進捗状況は当初よりやや遅れていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年までの調査でDDLが動詞-名詞コロケーション習得に有効であった変数について再検証し、DDLにおける何がどのように動詞-名詞コロケーションの学習を促進するかについて、より一層質的な調査を進め、明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
2022年7月に予定していた国際会議の出張がコロナ禍で許可されなかった。また、研究がやや遅れており論文執筆が予定より進まず、英文校正費用及びオープンアクセス掲載料等の費用が発生しなかった。それらの経費は、2023年度に旅費や英文校正費用及びオープンアクセス掲載料として使用予定である。
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Research Products
(8 results)