2020 Fiscal Year Research-status Report
第二言語の文法知識を運用可能とするコミュニカティブな文法練習方法の検証
Project/Area Number |
20K13112
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
大塲 貴志 昭和女子大学, 国際学部, 講師 (40832366)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パイロット・スタディ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、SLA 研究や理論に基づいた、日本の英語学習者の現場に必要な言語運用能力を効果的に伸ばすための文法練習方法を提案し、その効果を実証することを目的としている。本研究は英語教育専攻希望の学生60名程度(実験群20名程度X2群、比較群20名程度)を対象とした授業を用いてデータ収集を行なっていく。対象文法項目は「仮定法」に焦点を当てる。実際のコミュニケーションでも運用する場面が多く、言語構造がやや複雑で習得が難しいため、練習を要するものにより相応しいと判断したからである。 まず、実験群と比較群は事前テストを受験する。1週間後、実験群の授業で仮定法のルールを明示的に説明し、理解の確認を行う。その後、5週間に渡り、仮定法を使うコミュニケーション活動を継続的に組み込む。実験終了後、事後テストを行う。比較群にはテストのみ受験してもらう。4週間後に、遅延事後テストを実施する。さらに、アンケートやインタビューのコメントを考察に加え、クラスルームでの言語学習の特徴について、考察を行う。 2020年度は、上記のような実験の計画を立て、教材や事前・事後テストの準備を行なった。また、研究倫理審査において承認を得られた。実験の準備を行なったものの、コロナ禍の影響で、前期から後期に渡りオンライン授業になったため、実験の実施を断念し、延期した。しかし、パイロット・スタディ(予備研究) を行なった。オンライン授業を用いて、実際に実験で使う予定の教材の一部をコミュニケーション活動の一環として用い、学生に活動をしてもらった。この授業は英語教育を専攻するための概論の授業であり、言語活動を実際作成したり分析したりするため、授業の趣旨とも一致した。学生から寄せられたさまざまな振り返りのコメントや学生が作成した言語活動から、教材をどのように改良していけば良いのかの示唆が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍で対面授業がオンライン授業になったため、予定していた実験を遂行することが出来なくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
実験デザインを見直し、教材やテスト内容を修正し、より被験者に適したものにしていく。実験の実施にあたり、倫理審査の承認は得られているため、対面授業が行われた際には、上記の計画で実施していく。コロナ禍の影響により、対面授業が実施できない場合は、オンライン授業で可能な範囲で実験を行う予定であるが、事前・事後テストの実施が難しくなるため、対面授業で実験を実施したいと考えている。今年度前期は、対面授業の再開を待つ間、オンライン授業でパイロット・スタディ(予備研究)を引き続き実施する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で発表予定であった海外学会が2つ延期になり、旅費を使うことがなかったため。また実験が延期になったため、必要な機材の購入を行わなかったため。今年度は、引き続き、研究に関連するテーマの書籍を購入したり、実験に必要な機材 (iPadやMP3 recorderなど)を購入する予定である。学会はオンラインの学会が開催されれば参加する予定であるので、参加費用に研究費を使用する予定である。
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