2021 Fiscal Year Research-status Report
英作文評価を予測する英語ライティングプロセス指標の評価と検討
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20K13117
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
川口 勇作 愛知学院大学, 教養部, 講師 (10805378)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 英語ライティング / ライティングプロセス・方略 / CALL / キー入力記録 / 学習ログデータ / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまでのライティングプロセス研究で使用されてきた、ライティングプロセスにかかわる観察可能な量的指標をタイプ別に分類し、指標のタイプごとに最も英作文の評価を説明する指標を統計的手法を用いて明らかにし、よい英作文を書く書き手の行動を把握するための指標を整理することを目的としている。 2020年度は、分析に含めるための(a)ライティング課題の遂行時間、(b)語数の増減の推移傾向の指標、ポーズ時間関連の指標、(c)ポーズ回数関連の指標、(d)モデルフィッティング指標のリストアップを完了した。また、一部の指標間の関連の検討を行った。その結果、方略の選好性とプロセス指標の関係性は、書き手の熟達度によって変化することがわかった。また、書き手のポーズ行動が方略のポーズの性質と一致すること、ポーズ行動の傾向と質問紙で収集した方略の選好性の傾向とは一致しないことがわかった。これらの成果を論文等で発表した。 2021年度は、最終年度に向けた成果発表への準備の年と位置付け、研究に使用するライティングプロセスコーパス中の英作文データに、英作文自動評価プログラムを使用して6段階の英作文評価を付与した。また、昨年度収集したライティングプロセス指標を算出するための分析用コード、ならびに英作文評価にかかわる指標の算出のための分析用コードの準備を進めた。また、収集した指標の中に現状のプロセスデータ形式で算出が難しいものもみられたため、データ形式の変換などの代替策の検討を行った。 2022年度以降は、これら分析用コードの準備を完了させ、付与した英作文評価と各種指標の相関関係の分析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度実施予定であったエッセイ評価の付与作業は計画通り完了したものの、もともとこの作業のために雇用する予定であったアルバイトが見つからず、代表者自身が行うことになった。また、収集した指標の中に現状のプロセスデータ形式で算出が難しいものもみられたため、分析用のコードに修正が必要となったことや、使用するライティングプロセスデータに再度の整理作業が必要となったことから、これらの作業の一部は2022年度に行うこととなった。 これらの進展を総合的に評価すると、進捗はやや遅れていると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は論文での成果発表に向けて、準備を進める。まず、英作文のライティングプロセス指標と、英作文評価にかかわる指標を算出するための分析用コードの準備を完了させ、データの解析を行う。並行して、予備的検討として、英作文自動評価システムで付与した英作文評価と、既に算出済みのライティングプロセス指標との相関関係を分析する。その後、すべての指標を含めた最終的な分析を行い、その結果を発表する予定である。成果発表の方法としては、英語教育ならびに英語ライティング関連の論文誌への論文投稿を検討している。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で、予定していた学会出張がすべてオンライン開催となったため、旅費分の助成金が使用できず、次年度使用額が発生した。また、雇用する予定であったアルバイトが雇用できなかったため、その分の人件費も次年度使用額となった。この使用額分は論文投稿時の英文校閲や、資料収集などに流用する予定である。
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