2020 Fiscal Year Research-status Report
統語的プライミングを利用したペアタスクのL2関係節文理解における促進効果と持続性
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20K13120
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
平野 亜也子 京都産業大学, 外国語学部, 准教授 (10755490)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 文理解 / 文産出 / 繰り返し接触 / 関係節 / 多読 / リーディング / ICT |
Outline of Annual Research Achievements |
統語的プライミング効果の発現を利用しながら意味と形式とに注意を向けさせるタスクとして設定した“繰り返し接触タスク”の一つとして、多読授業の効果について考察を深めた。その内容を1)横浜国立大学でのオンラインセミナーで講師として講演した。また、ICTを用いた遠隔授業による多読授業について2)関西英語教育学会 第26回研究大会で口頭発表した。さらに、様々なタスクを実施して英語運用能力を育成する場である大学のカリキュラム開発について大学生を対象にアンケート調査を実施しその結果を分析して、3)論文を執筆した。
1. 横浜国立大学教育学部のオンラインセミナー講師の依頼を受け、10月24日に「子ども向け多読教材ORTを用いた大学英語教育実践」というタイトルで講演した。研究課題である文産出タスクの効果なども紹介した。また、その後の質疑応答では、文理解と文産出とを組み合わせることで、英語運用能力がより効果的に育成できることについて意見交換をした。 2. 11月8日に開催された関西英語教育学会第26回研究大会では、「インプットからアウトプットにつなげる多読授業―大学編」というタイトルで、口頭発表を行った。今年度はコロナ禍のため、急遽オンライン授業が始まったが、オンライン授業でどのように文理解を文産出につなげる工夫をしたのかについて、授業実践の内容を発表した。 3. 『「特別英語」カリキュラム開発のための学生に対するニーズ分析―英語習熟度と選好性との関係―』というタイトルで論文を執筆した。(京都産業大学論集 人文科学系列, 第54号. pp. 197-209. 2021. 3月)この論文は、英語運用能力を育成する場である大学のカリキュラム開発について、調査した内容をまとめたものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「統語的プライミングを利用したペアタスクのL2関係節文理解における促進効果と持続性を検証する」本実験に向けて、実験文の作成、実験刺激となるイラストの作成は終えた。しかし、新型コロナウイルスの影響で実験参加者を集めることができず、当初の予定であったパイロット実験の実施には至らなかった。新型コロナウイルスの感染状況が収まれば、パイロット実験の実施をすすめる。
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Strategy for Future Research Activity |
ペアによる絵描写タスクが関係節文理解に及ぼす影響を検証するため、今後は具体的な実験の流れを計画し、パイロット実験を実施する。その後、調整を加えたあと本実験を実施して、絵描写タスクの関係節文理解への影響を検証する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で実験参加者を集めることができず、当初の予定であったパイロット実験の実施には至らなかったため次年度使用額が生じた。次年度の実験実施にかかる、人件費、謝金、実験材料費等に使用する。また、本年度に購入予定であった書籍を次年度に購入することとする。
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Research Products
(2 results)